9月になりました。毎月新しい月になったってなにも特別なことはないけれど、暑さが落ち着くといいな。
いきなりいちゃもんで恐縮です。どうして白黒なんだろうか。このシリーズに限らず、ずっと白黒で撮り続けているのかもしれないけれど。このような場合、どうしても白黒で撮ることによって、「ノスタルジー」が強くなってしまう気がしている。格闘技が身を立てる一つの手法として、言い方はあまり好みではないけれど、底辺から這い上がる、みたいなもののイメージが付き過ぎている側面もあると思うので、それが白黒でより強化されるような。今の日本ではそういう文脈が失われてきているようでもあるから、それがタイでは…みたいな流れが出来上がってしまいそうな予感が。もちろん、そうではないことも知っているし、被写体の中で子どもらがスマホをもっているところなんかを見ると、そんなに画一的には割り切れないとは思うけれど、白黒にすることで物語られることが多いような気がしてしまう。それに試合の場面はもっと極彩色なんだと思う。選手にとっては、そう見えないということもないとは言えないけれど、やっぱりギラギラしていることが伝わりにくいかなぁと。そこがもったいないと感じてしまう。作品としては、子どもらの表情の真剣さとか無邪気さだったり、とても生き生きとした姿がくっきりしている。その中で、傷だらけの足が印象的だった。自分がムエタイを見るとき、メインは吉成選手なので、綺麗な状態でいつも勝利しているので、そんな訳にはいかないんだということが、まざまざと見せつけられる。やっぱり長くは闘い続けられないからこそ、華やかに見えるのかもしれないと改めて思う。
水分補給ばかりでタプタプしているような、していないような。