もう毎日べとべと。あれこれやりたいこともやる気スイッチが入らない。

しれっと流れてきたので拝見。どういう状況かはわからないけれど、全編公開というタイミングに出くわす。2週間限定なので、見逃さずに。市川雷蔵さんは、眠狂四郎のイメージ、かつ若くしてこの世を去った人という印象が強かったけれど、普通の恰好をして、小川真由美さんと熱烈な口づけを交わしたり、何かとても不思議な感覚に。殆ど表情を変えないので、それはそれで物寂しい気分にもなる。中野学校に入する前からそんな感じではあるけれど、表情を変えずに唇を貪るのは、なかなかに艶めかしい。モノローグも雷蔵さんなわけだけれど、異様なまでの棒読み感があって、それがとても怖いん。それは心をなくしてしまったからなのではないか、と最後で気づく。本当にやるせない結末。所長の「生きて帰ってこい」みたいな台詞も、だったらこんなことに巻き込まなきゃいいのにと思ってしまう。大きな社会のうねりの中で回避できなかったことなのかもしれないけれど、それにしても非常に後味の悪い話。スパイとして英国領事館に関わっていく過程で見せる笑顔等が妙に屈託ないからこそ、能面のような表情と抑揚のないしゃべりにぞっとする。人はこんな風に変わることができる、いや、変えられてしまう、のか思うと、しつこいけれど本当に後味が悪い。また、全編にわたって、戦前の状況とこの映画が創られた時代の状況とを反映させていて、もやもやすることが盛りだくさん。性感帯について話すところとか、本当に強烈すぎる…。でも、これが当時の雰囲気としては普通というか、あまり問題視されていなかったのではないかと思うと、隔世の感がある。そして、一番強烈だったのは、自死があまりにリアルすぎる。自死を迫る場面(結局命を落とすことに…ただ、これは自死とはいいがたいけれど)など、あまりにきつい。警告がYouTube側からなのか出ていたけれど、その場面を見た後にこの警告が出てきたので、遅すぎだよ、と肩を落とす。これはアップする側が冒頭に付けるべきかと。

クリームたっぷりの何かを食べたい。何かとは…。