よい感じに暑くなってきた。湿度も高め。だけど、まだ夏は本番ではない。

場所が移転してから、ふらっと立ち寄るという感覚がなくなって、一足伸ばす感覚になってから少し遠ざかってしまった。そして、自分がいつも乗り込むときは、遠回りというか、締め切りのところがいくつかあって、ここで入ることができれば、ショートカットできるのに、面倒くせぇと思ってしまうのも、足が向かなくなる原因ではある。で、久しぶりに向かうとこの今の空間だからこそ成立する展示でした。存分にスペースの高さを活かしていて、外からある意味隔絶した中で、ざわざわを巻き起こしている。これが外部の世界とどう接続するのかは、観客次第なのもいい。変にわかったつもりにならずに、何だかスッキリしていそうで、部分的にごちゃごちゃしている。光の明滅と突然飛び出す籾殻に慌てふためく。ある一定の時間滞在してもそこにあるものを掴み取ることはできない。そう、多分ここには何かがあるわけではない。移植されたようにも受け取れるけれど、それは根付くことはない。だから、ここに突然現れてまた自分の世界に戻っていく者たちのように、それぞれがそれぞれの居心地の悪さを抱えて佇むことでいいのかと。豚のぶひぶひ鳴く声とニュースみたいな音源と籾殻と、そこに一体どんなつながりがあるのか、解説を読むことすらせずに、暫くぼんやりと佇む。写真をカシャカシャ撮っている若者がいる。何を記録しようと、何を留めようとしているのか、そのことがとても気になる。ここにあって留め置くようなそそられるものがあるのか、ということではなく、その留めたものをどうするのかなぁと。後で思い出すときに眺めるのか、SNSにアップするのか。なんにしても、それに合うような展示には感じなかったけれど、その若者も含めてこの展示で見て感じたものであることは間違いない。

あれこれ準備に追われる。