本当にひどい雨になった。弱くなったり強くなったり…。一日こんな感じかな。

ぼんやりしながら、久々の寄席に。といっても余市会ですが。こちらかどういう会なのかいまいちわかっていないですが、とにかくすごい番組なので、ひっそりとでかける。開口一番、昇ちくさん、なんと新作「おおらか」。前座さんが新作を寄席で!と思ったけどお許しがあってのことらしく、昇太さんのお弟子さんらしく、よき感じてした。とはいえ、多分随分端折ったからか、少し躓きなどもありました。でも、よいチャレンジ。次いで、講談の前座で梅之丞さん、「和田平助鉄砲切り」。そつがない。毎度そう思う。らしさがでるのはもう少し先になるのかなぁとは思うけど、今のらしさ、やるべきことをきっちりやっている。久しぶりのかけ橋さん、「馬大家」。ご無沙汰してますが、寄席で拝見するのは初めてかと。しっかりまくらから繋がりがあって、さすがに手馴れていました。この噺は初めてでしたが、場外馬券売り場が近いここだと妙な親近感があった。信楽さんはまくらがドキドキしたけど、噺に入ったら落ち着いてました。新作「出生の秘密」でしたが、最近テレビで「赤い疑惑」をチラッと観てなんか関係ないのにそれを思い出した。なかなか亡くならない(亡くなることができない)のは辛そう。できたくんは本当に安定してる。毎度挟んでくる話はあまり違わないのに、「作品」に心うたれる。お会いできた時には挙手するけれど、一度も当たらないので、気長にお見かけしたら手を上げるようにしたい。昇々さんも、新作「決壊」でしたが、まくらでかなり笑わされて、噺はむむっと思うも、少し攻めすぎたかも、と。悪くはないけれど、ご自身もチラッと仰っていたけど、今日のこの場では違ったかも。A太郎さんも新作「罪と罰」。なぜかA太郎さんは新作しか聴いたことがないので、これはこれで安定している。あの写真撮影タイムや出はけの微妙な時間の取り方がクセになるのかもしれないけれど、自分はいまいち乗り切れない。噺は好きだけど。京太、ゆめ子さんは、どうしたらいいの、とヒヤヒヤした。面白いとか面白くないじゃなくて、どうしたらいいのか、と本当にヒヤヒヤする。マイクの関係なのかちょっと聞き取りにくいのもあって、遠く感じた。宮治さんは「勘定板」。やっぱり落語は古典がとりあえずは良い。「笑点」いじりは鉄板なのかもしれないけれど、まくらからの繋がりもスムーズ。なんで、かんじょういた、なのか初めて聞いたような気がする。これがあるともう少し話が拡がってくる。とてもよいリズムでした。近くの子どもが大爆笑で、こちらも割増に。頼光さんは、「國士無双」。暗くなって眠くなっちゃうかと思ったけれど、しっかり引っ張られました。片岡千恵蔵さんや山田五十鈴さん、懐かしの方々に見惚れました。伯山さんは「出世浄瑠璃」。多分初めて聴きました。秋の話でしたけど、頭の中にきちんと紅葉が浮かびましたし、あったとかなかったとか、の話は全く何もなかったわけじゃないんだろうなぁと思うと楽しい。窮地に追い込まれての言い立てが見事なのは江戸で講釈場に通っていたとすると、ありそうでなさそうな…みたいになって面白い。誰も死なない明るい話でした。番組を拝見した時にあまりに豪勢だと思ったけれど、それはそれで結構混沌とするんだなぁと思う。何かと縛りがるわけではないので、自由なのはよいけれど、いわゆる一般的な興行とは違うのがよいところでもあるんだけれど、落語はもう少し古典が欲しかったかも。ともあれ、時間切れ故に途中出でてしまったけれど、この番組でこの値段はお安い。

雨はあがったけど、気温は低いまんま。