暑くて日影を選んで移動する。風が強くて助かるけれど。

5月はこれきり。4月に奮発しすぎた。

『伽羅先代萩』。初役ではないはずだけど、気合いが少し緊張しているかなぁと。大役だし、飯炊きの場面はやることも多いし、大変そう。何度拝見しても残酷。丑之助くんが嬲り殺されるところは、声の掠れっぷりもあって、息苦しくなる。そんな中でも菊之助さんは、「でかしゃった」「ありがたや」五段活用(実際はもっと言ってますけど)も思いの外、野太いものがあって、緊張はしつつも気合いが入っている気がした。歌六さんは、もう何でもできるし、若い座組の中でいらっしゃるとぐっと締まる。席の関係か京屋の声があまり通っていないように感じる。床下からは、あの長い間を集中させるだけの力が團十郎さんにあるのか、と言われると少なくとも今日はそう感じなかった。ともあれ、これが最後ではないはずだから、今後も期待。親子で政岡と千松はこれで最後でしょうが。

『四千両小判梅葉』。初めて拝見する演目かと思う。何となく知っているかと思ったけれど、やっぱり違った。あんな牢獄の場面は見たことがない。でも、序列とか持参金?とかあれこれ勉強になる(入らないし、今は違うはずだけど)。先月に引き続き、梅玉さん松緑さんの組み合わせ。苦手な苦手のまま。これは仕方ない。梅秋さんが梅玉さんを乘せた駕籠を担いでいたり、なんとも嬉しい限り。話としては理解できるけれど、何か面白いか、と聞かれるとイマイチ起伏もなく、場面もトントンと変わって、自分の中では上滑りした。先の牢獄の場面なんかはそれだけで面白いとは思うけれど。梅枝くんが梅枝くんとしては最後の芝居でした。とても、短い時間だったけれど、よい空気を纏ってました。来月、楽しみにしてます。

團菊祭、休日だというのに空席が目立つのが寂しい。

風は強いまま、少し冷える。