良き天気。花粉まみれで我慢が続く。

この作品は映像で拝見したけれど、こうして舞台で拝見するのは初めて。ある意味想定ができているけれど、今回はライブなので、そこで起きる事や呼吸の深さなど、いろいろ体感したい。「家」の概念が取っ払われているのご一番大きいのかなぁ。完全否定しているというのではないのかも知れないけれど、対立軸として欠かせない要素なのかと思いきや、こうしてなくなってみると、なんとかなるもんだとも思う。クィアな表象については、マシュー・ボーンお得意というか、いつも通りで、それを敢えてやっているというよりも、そこに存在するものを存在するものとして、据えているだけで、殊更強調するようなものでもないのかもしれない。ダンスに関しては毎度思うけれど、意外と狭いスペースなのに、それを感じさせない振付でごちゃごちゃしそうなのに、すっきりしてる。それにしても、キスが長い(笑)。あんなにアクロバティックなキスはキスをしているという感覚よりも、くっついていたいってだけのようで可笑しい。そして、色んな場面で出てくる腕の絡まり方がかなりエロティック。にもかかわらず、リフトは腕で抱きかかえるものよりも肩辺りにのっかるようなタイプのものが頻出して、印象に残る。触れてはいけない関係、環境の中で、関わらずにはいられない切実さが見える。最後はあんなだったかぁ、と全く覚えてなかった自分にビックリ(誰かの携帯もなってビックリ)。すれ違いというより、そこまでの経過は別にして、○○が✕✕したから、という矢印がハッキリしていてわかりやすいかと。客席にマシュー・ボーンさんや今日舞台に立っていないキャストもいて、何だかアットホームな雰囲気でした。血まみれのロミオとジュリエットのカーテンコールはなかなか複雑な心境に。

一つ、結果が出て、油断はならないが、先ずはホッとする。