まだ続く花粉まみれの生活。

全く想定できな組み合わせだったけれど、菊春さん目当てでうかがう。そして、松麻呂さんも久しぶりのような気がする。念願叶って菊春さんを聴くことができたのは、昨年の末廣亭、伯山さん主任の時でした。それはそれでとても良かったんですが、あくまでも寄席の尺なので、ぜひきちんと、と思っていました。平日の木馬亭はなかなかハードルも高く、今回やっとこのような機会があって乗り込んだ次第。先ずは開口一番、げん馬さん、「弥次郎」。これ、南楽さんの勉強会でげん馬さんで聴いたのかなぁ。調べればわかるけれど、調べない。いい安定感。そして、いよいよ、菊春さん、「崇徳院」。浪曲は殆どが初めて聴くものばかりなので、これもタイトルあっているのかわからないけれど、すごく可笑しい演目でした。あんまり歌わない、唸らないなぁと思ったけれど、ちょいちょい挟まれるそれがとってもいいスパイスになっていました。そして、久しぶりの松麻呂さん。「佐倉義民伝 甚兵衛渡し」。いきなり長いの持ってきたなと思ったけれど、ぐっと引き込まれた。だいぶこなれてきた感じがあって、よき感じ。お仲入り後は、松麻呂さんの「井伊直人」。もう手馴れたもので、寄席でもかけているので時間調整もバッチリ、のはずでしたが、少しオーバー。こことあそこをあんなふうに端折ったんだぁと楽しく聴く。そして、最後は、菊春さん、「千葉三郎兵衛」。義士外伝なんですかね。初めて聴くものでしたが、グーッと引き込まれました。お酒好きでお調子者なところが愉快な前半から、ちょっとした間違いから首までとられて…と(自分の中では)急転直下な展開で、心がうまくついていかなくなってきそうになりつつも、菊春さんの調子と美舟さんの三味線に助けられて、何とか食らいついた感じ。いつの世も理不尽なことはあって、それでも何かの救いはどこかにあるのかもと思いつつ、命の重さは変わらないはずだけれど、首を差し出さなければならなかった無念を思うとやるせない気持ちになる。だけど、それだけ気持ちを引っ張られた芸だったということなのかと思う。ともあれ、大満足の時間でした。また次、あるといいな。

気になることが多すぎて時間が足りなくなってきた。