邦題がダサすぎるのですが、「ダンサーインParis」を観てきました。

原題は「En Corps」"体の中で"という意味だそう。

 

パリ・オペラ座の現役バレリーナであるマリオン・バルボーが主演を務め、

エトワール(最高位)を目前に舞台上で怪我をし、人生をかけてきたバレエを諦めざるを得ないのか、瀬戸際で揺れる中でコンテンポラリーダンスに出会い、新たな一歩を力強く踏み出す成長譚。

 

 

 

いかにもフランス映画らしい淡々と進むストーリーと、個性豊かで個が際立つ人々の時に意地悪なユーモアのある会話。

 

バレエの鍛え抜かれた身体で表現する、この世のものとは思えぬ美しい世界、重力すら感じないほどの軽やかさ。

一方で、重心を下に持ち、生命力と自由を感じさせ、リズムに溢れるヒップホップとブレイクダンスが融合したコンテンポラリー。

表現の仕方や様式は違えど、どちらも、ダンサーを羨ましく思うほどに圧倒的な芸術でした。

 

ところどころシニカルな笑いの要素も散りばめられていて、主人公のかかりつけ理学療法士のヤンの勘違いぶりとイカれっぷりが微笑ましい。

 

亡き母の「人生のすべてを味わって」という言葉が、心に静かに響き、重ね重ねいかにもフランスな映画でした。

 

英語とフランス語はやはり親和性が高いためか、単語も重なるものが多いのからだと思うけど、なんとなく翻訳と原語が異なるところがわかったので、フランス語いけるかもと一瞬調子に乗りました。w