ウェブの進化の歴史とは 

私のような、今学生生活を送っているような若造風情は、ウェブの進化といわれてもピンとは来ない。小さいころから当たり前のように家には光回線が引かれ、3Gで外でもネットに常時接続できることが当たり前の世代にとっては、「プー…ピポパポピポパポ…ピピービー…ポービーブーー…ザーーー」というダイアルアップ接続の音でさえ知っているのは、私ぐらいであろうと思う。

 

閑話休題、ウェブは進化してきた。サービス利用者が受動的だったWeb1.0から利用者が能動的に利用するWeb2.0へと進化し、今やブロックチェーンを利用したWebサービスをWeb3.0と呼ぼうとする試みも始まっている。実際、暗号通貨やSTEPNなどと新しいサービスは始まっている。

ここらで、過去を振り返ってこれからを創造する考え方が必要なのではないかと思い、この本を手に取った。

 

 

ムーアの法則 

ムーアの法則とは、集積回路の生産数は年間当たり2倍に一次関数的に増えるだろうという予測である。

本書では、この法則を回路の性能も一次関数的に増えるだろうと、読み替え、それに伴い価格が安価になっていくチープ地獄に落ちいえるだろうと記されている。実際にそれに近い数字で推移してきた。

次の10年は必要なIT機能がコストを意識せずに手にすることができるだろうと記された。これはある意味実現された。コストを意識していない訳ではないが誰もがスマートフォンという当時考えられないほど小型で高性能なコンピュータを誰もが所有し、どこへ行こうと繋がるデータ回線を契約している。

これによって、この環境で暮らす新しい世代は新しいリテラシーをもって旧態メディア組織に属さなくとも新たな表現を生み出すだろうと記される。これはYoutuber,Tiktokerなど従来のマスメディアとは関わらず影響力を強める人々が未だ増えている。これはこれ以降も増えていくだろう。

 

 

Googleの野望 

インターネットの情報は玉石混交だが、その量は増加が甚だしい。これは現在も過去も変わらない。ここでのGoogleの野望ともいえる、その役割は増殖する情報を整理しつくすことである。

確かにGoogleの検索機能はインターネットのあらゆる情報を整理してきた。それどころか、ハードウェアメーカーにもなり、個人の情報なども収集しつつあり、一国政府をも上回る情報収集能力を持っているとさえ言われる。現代のAIなどはデータがなければ何も作り出せない。情報を整理することこそがGoogleことAlphabetを時価総額1.5兆ドルの企業たらしめる理由だろう。

 

 

これからの時代 

本書では、当時から10年を予想している。

当時の潮流としてオープンソースの飛躍があった。今でもLinuxはシェア率1.8%を維持し、情報系学生にとれば当然の関門である。OS以外でもLibereOfficeやOpenOfficeが普及するなどこの潮流は健在である。

オープンオフィスは、特定の企業の思想に支配されることは少ない。そのような潮流は現代になって加速するかもしれない。

所謂。Web3.0という技術はブロックチェーンの技術である。ブロックチェーンは取引やデータの移動が利用者が信用性を担保する技術だ。このような技術はさらに大規模企業に依存しない体制になっていくことだろう。

 

 

まとめ

この本は時代の流れで陳腐化した本かもしれない。しかしながら、過去を知ることで新たな技術を作り出す糧になるかもしれない。未来予測のために役立つかもしれない。そういった可能性を秘めた本だと感じた。

 

 
 
 
 
 
 
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本紹介
題名 ウェブ進化論 : 本当の大変化はこれから始まる
著者名 梅田望夫
出版 ちくま新書