1ヶ月ほど前に歌舞伎の制作発表に行きましたが
今日拝見したのは、その演目のひとつです
歌舞伎を観るとき、いい音だなぁーと思うのが「ツケ」
登場・退場のとき、立ち回りのとき、見得をきるとき
劇場に響きわたる、「ツケ木」を板に打ち付ける音です
今日は座席が「ツケ板」のあるすぐ前だったので
いつも以上に演技と音のかかわりについて観察
「ツケ打ち」さんは鋭い眼で芝居の流れを見つつ
ものすごい集中力とエネルギーを使っていらっしゃいました
演目が怪談ものということもあって
特に効果音が活かされていましたし、セットや仕掛けも見応えがありました
内容はおどろおどろしいというよりも
人の弱さや愚かさを考えさせられるようなものです
若手役者たちの力と心の込もったお芝居が素敵でした
余談ですが、後半の幕で会場が真っ暗になったとき
ぷ~んと木の香りが漂ってきました
まだ新しい桧舞台の香りでしょう
明かりのあるときには気付かなかったことが
暗闇の中で感じられたのは不思議です
人はときおり闇の中で感覚を磨くことが必要かもしれません
余談ついでに、もうひとつ
お岩の夫・伊右衛門が着ている着物の紋が
私の好きなマーク、陰陽(yin and yang)でした
「陰陽勾玉巴」という家紋があるんですね