粛宗は稀代の女好きか、冷酷な王か:『テバク』予習その3 | ゆかりんsoku☆チャン・グンソク

ゆかりんsoku☆チャン・グンソク

韓国人俳優チャン・グンソク君のファンのブログ。
現在、記事の更新は不定期です。


処刑や廃妃に追い込んだ2人を含めて、
正妃が4人。側室が5人。

そして朝鮮王朝の中で唯一
女官出身の正妃と下層民出身の側室を迎えた王、
それが第19代国王・粛宗(スクチョン)だ。


            命より大事な1枚目に粛宗のおっさんは使わないわ~。

gun01

 


粛宗は両班(ヤンバン/当時の貴族階級)の名門出身の
3人の正妃たちからは息子を得られず、
低い身分の出身だった禧嬪・張氏(ヒビン・チャンシ)や
淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)によって息子を得た。 

( 粛宗の家系図と年表は前記事にあります
 
史実では英祖と景宗の父であり、
『テバク』ではテギルの父でもある粛宗は、

朝鮮三大悪女として名高い禧嬪・張氏との関わりから
いったいに「統治手腕は優れていたものの、
美女にからきし弱くて、なおかつ移り気な君主」
というイメージが強い王様である。

          『ペク・ドンス』でのチェ・ミンスのおっちゃんはカオク一途でしたのに。

gun02

 

『テバク』に出演するチョン・グァンリョル様が
粛宗を演じたドラマ『張禧嬪[チャン・ヒビン]』(2002~03年)では、

美貌の禧嬪・張氏にのぼせあがり
正妃の仁顕王后・閔氏(イニョンワンフ・ミンシ)を廃位させて
王妃にしたかと思えば、

『トンイ』のヒロインで知られる
淑嬪・崔氏の口車にまんまと乗って
仁顕王后を復位させ、
禧嬪・張氏を再び側室に降格したあげく処刑するなど、

権力にまかせて女性を翻弄する
誠にゲスの極みの王様だった。

          意外にお茶目なミンスのおっちゃん。

gun10

 

しかし、その非情な正妃交代劇の背後には
当時の二大政党の西人派(ソインパ)と
南人派(ナミンパ)による派閥争いがあったことが、
ドラマ『チャン・オクチョン』(2013年)では
より分かりやすく描かれていて興味深かった。

      ヒョヌ君のインスタより。15日に『テバク』の台本の読み合わせがあったそう。

gun09

 

要するに後宮でも
仁顕王后および淑嬪・崔氏に組する西人派と、
禧嬪・張氏に組する南人派の対立の構図があったわけで、

粛宗は、時期を見計らっては
後宮のもめ事と政局をひとまとめにエイヤッ!と
換局(ファングク/政局の転換=政権を故意に交代させること)を3度にわたって行い、
特定の党派に権力を集中させないようにして
巧みに王権を強化させていったのだ。

gun12 

と、たぶん、
ここまでが『テバク』の物語の前史に
あたるのではないかしら~と予想してます。( ̄∇ ̄*)ゞ


      ハン・キウン君のインスタより 『テバク』のカメラテスト時の楽屋での写真らしい。

gun11

 

粛宗は換局のたびに
数多くの臣下を犠牲にしただけでなく
自分の妃たちも容赦なく政治手段として利用した、
残忍で冷酷な王だった。

その一方、
「大同法(テドンポプ)」という税制を整えて
庶民層の負担を軽減し、
国の防衛と治安の強化を進め、
「常平通宝(サンピョントンボ)」という貨幣を作って
商業の発達と社会経済の安定を図るなど、
数多くの業績を残した名君でもあった。


     ハン・ギウォン君のインスタより。同じく『テバク』のカメラテスト時。こんなキレイな双子のボディガードがいる粛宗ってなんか怪しい。(* ̄m ̄)

gun04

 

さて、禧嬪・張氏の死後、
完全に政権を掌握した西人派は
世子の生母である禧嬪・張氏の処刑に反対した「少論派(ソロンパ)」と、
処刑に積極的だった「老論派(ノロンパ)」に分裂していく。

1716年、粛宗は世子寄りの少論派を排して、老論派を重用する。(丙申処分:ピョンシンチョブン)

そして1717年に、粛宗は世子が病弱であるという理由から、
当時の老論派の重鎮・李頣命(イ・イミョン)に、
淑嬪・崔氏の息子、延礽君(ヨニングン/後の英祖)を
後継として定めるよう命じる。(丁酉独対:チョンユドクテ)

同年、粛宗が延礽君に対し
世子代理聴政(世子に代わって政務を執ること)を命じたことで、
少論派が「世子をすげ替えようとしている」と大反発する。

この時以来、朝廷は世子を支持する少論派と、
延礽君を支持する老論派との間で党争が激化する。

その最中の1720年6月、
争いの火種をつけた張本人の粛宗は
約46年間の統治を終え、
60歳で世を去った。

粛宗の逝去とともに、
世子・昀(ユン)が第20代王・景宗(キョンジョン)として即位する。


       インスタより、『テバク』第1話の台本の表紙写真。テバクって「大撲」て書くのね~。大ヒットホームランを撲っ叩いてほしいな!

gun03

 

たぶん、粛宗はかつて正妃を取り替えたように、
世子もさっさと取り替えようとしたのかもしれぬ。

そんな無茶を押し通そうとする父王に、
景宗も英祖もさぞ閉口したことだろうなあ。

はてさて、テギルが強引無茶ぶり親父の粛宗に
御目通りがかなう日は来るのだろうか?


gun01 


また、『テバク』で粛宗の対抗勢力の親玉である
チョン・グァンリョル扮する李麟佐(イ・インジャ)は
史実では世子(景宗)を支持した少論派側にいて、
景宗の死後、英祖に刃向って乱を起こしている。

すると、粛宗に仕えた武官を右腕にして
李麟佐と立ち向かうらしいテギルは
景宗の敵側にいるわけなのか?

てことはテギルは
英祖の味方をするわけなのか?

でもそれじゃ、なぜ命をかけて
英祖と勝負をするの?

とまあ、テギルの一世一代の大博打を
あれこれと妄想して楽しむゆかりんでした。(*´∇`*)



gun13

 


※画像はインスタグラムなどよりお借りしました。