いつも君を想う 22 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

SUPER JUNIORのキュヒョンと、
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たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。









































僕たちが恋人同士になってから、半年以上が過ぎた。

あれから僕はシウォンヒョンと二人きりの時は
“シウォナ”と呼ぶようになった。
時々癖でシウォンヒョンて言ってしまうけど、
よくよく考えてみたら
これからのほうがずっと怖いんだ。

仕事中やメンバーと居る時、
“シウォナ”って言ってしまいそうで。

幸い僕たちの事は誰にもバレてないみたいだ。
僕たちはお互い、細心の注意を払った。
二人きりにならないように
なるべく他のメンバーと一緒に居る時に話をする。
メンバーにバレたら気持ち悪がられるんじゃないかって、すごく不安になる。

今までの僕は同性のカップルに対して何も考えてなかった。
僕たちメンバーはいつも仲が良くてスキンシップも激しいし、
男同士でふざけ合ってキスしたり
仕事でも日常茶飯事だったから
そんなに嫌悪感を感じた事はなかったけど・・・。

でも・・・その先は?

やっぱり抵抗があると思う。
だって、自分でも信じられなかった。
シウォナとその先も出来てしまう程好きになってしまうなんて。

シウォナに恋に落ちた瞬間、
僕の中での常識がもろく崩れた。

僕だけを見てほしいと思ったんだ。








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「オンマ、大事な話があるんだ。」


海外での仕事を終え、帰国した俺はそのまま実家に行き
オンマと二人きりでリビングに居た。

オンマは突然の俺の言葉にビックリし
テーブルの上の紅茶を溢した。


「ごめんなさい。ちょっとビックリしちゃって・・・。」


「いや・・・。」


動揺を隠せないのか
テーブルの上を拭きながら一度も俺の顔を見ない。


「オンマ・・・。」


「あ、そうそうシウォン、
いただき物の美味しいお菓子があるのよ。
今すぐ取ってくるわね。」

慌ててダイニングに行こうとするオンマを呼び止めた。


「オンマ!!」


オンマの足が止まった。
二人の間に極度の緊張感が走る。
俺の額と手には薄っすらと汗が滲んだ。


「大事な人がいる。」


頭で考えるより先に言葉が出てしまった。

オンマの体が固まったのが分かった。


「同性なんだ。」


「ああ、シウォン・・・。」


両手を口に当て、震える声で俺の名を呼んだ。
オンマが泣いている。
今にも泣き崩れそうだった。
オンマの悲しむ姿を見たくなかった。
苦しめているのは紛れもなく自分なのに・・・。



「オンマ・・・。」


後ろから抱きしめたくても足がすくんで動くことが出来なかった。
俺は・・・
俺はどうすればいい。
何も考えられない。
言葉も出てこない。
この数秒がとてつもなく長い時間に思えた。



「シウォン・・・気付いていたわ。」


「え?」


「もしかしたら・・・と、思ってた。」


頭が真っ白になりそうだった。


「でも、彼女がいたし大丈夫だと思ってたのよ。
だけど別れちゃったでしょう?
あの後様子がおかしかったから、
慌てて見合いの手配をしたの。」



そうか。
そうだったのか。
だからあんな急に・・・。
ずっとおかしいと思ってた。

俺が見合いの席を壊した時も
相手に執拗に頭を下げていた両親にもこれで納得が出来た。

オンマは気付いていたんだ俺の変化に・・・。



「シウォン・・・。
もう何も言わないで。
少し考えさせて・・・。」



「オンマ・・・。」



「ごめんなさい。
今、あなたの顔をまともに見られない。
悪いけど、今日は帰ってちょうだい。」



そう言ってオンマは
振り返りもしないでリビングから出て行ってしまった。

本当にこれで良かったのか?
今、言う事だったのか?
分からない・・・。
ただの自己満足なんじゃないか?
いろいろな考えが頭に浮かぶ。

自分の息子が同性を好きだなんて、
ショックは計り知れないだろう。
でも、キュヒョンだからなんだ。
キュヒョン以外俺は興味もない。

そんな事、
親からすればどうでもいいことだろうけど・・・。


でも俺は後悔はしない。
これが俺たちの第一歩なんだ。
キュヒョンと一緒に歩いて行くには、
どうしても結婚という枠が邪魔だった。


もしかしたら俺はこの家を捨てる事になるかもしれない。
部屋をゆっくり眺めてみる。

これはアボジとオンマが二人で作り上げた空間だ。
オンマの大好きな花が色とりどりに飾られ、
アボジの自慢の暖炉には暖かい火が灯っている。
キャビネットにはお気に入りの食器が並び、
サイドボードの上には家族写真が飾られている。
ついずっと座ってしまいたくなるカッシーナのソファー。
俺の1番好きな場所だ。


俺たちも出来るだろうか。
一緒に家を選び、家具を決め共に生活をする。
そんな夢物語のような事をキュヒョンと一緒に出来るだろうか。

俺とキュヒョンが帰る場所。

まずは小さいアパートでいい。
俺たちには一間あれば充分だ。
いや、キュヒョンが傍に居るだけでいい。
それだけでいい。

フッ。

まさかこんなに夢中になるなんて・・・。
まるで初めて恋を知ったみたいだ。


俺はオンマに声をかけることもなく、リビングを出た。

エントランスのドアを開け、家を出ると沈んでゆく太陽が見えた。


綺麗だった。


茜色に空が染まり、長く伸びた雲を焦がす。
まだ残っている青い空とのコントラスト。
次第に街が朱く染まり溶けてゆく。


涙が出そうだった。


キュヒョンは・・・。
キュヒョンはどうなんだろうか。
俺と同じ気持ちだろうか。


キュヒョンの家族はキュヒョンに対しての溺愛ぶりは半端ない。
しかも長男で跡継ぎだ。
きっとキュヒョンは俺よりもっと悩むだろう。


目を閉じればいつだってキュヒョンを感じる事が出来る。
繋いだ手の温もりと俺を呼ぶ甘い声。
ちょっとはにかむ様に笑って俺を見る優しい瞳。
目の下のホクロも、
いつも尖らせてる口も、
少し伸びたうなじも、
こめかみから流れる汗も、
甘美に震え上下する喉仏も、
俺以外に見せない傷跡も、
俺の腕や背中に這う長くて細い指先も、
絡みつく足さえも鮮明に思い出す事が出来る。


キュヒョン・・・。


今すぐお前に会いたい。
早くお前を抱きしめたい。


俺たちは一体何を我慢すればいいのだろう。






ただ、
好きなだけなのに。
















つづく。















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]