いつも君を想う 7 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

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SUPER JUNIORのキュヒョンと、
ウォンキュが中心のブログです。
たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。






























「キュヒョン・・・。キュヒョナ?
なんだ。寝ちゃったのか。」


俺の隣りで寝息を立て、うつ伏せで寝ているキュヒョン。
髪を撫で、頬にキスをする。
キュヒョンの寝顔を見ているだけで
幸せな気持ちになる。
ずっと俺はこんな穏やかな時間が欲しかったんだ。

まさか相手がキュヒョンだと思わなかったけど。

人生って不思議なものだな。
幸せはすぐ目の前にあったのに、
ここまで来るのに随分時間がかかった。
もっと早く気付けば良かった。

俺の理性と倫理が邪魔をした。

そんなの、どうでも良かったのに。


















彼女とはいつもの店で8時に会うことになっていた。


ちょっと早く来過ぎたか・・・。


時計に目をやり溜め息をつく。
話ってなんだろう?
いや、俺の方から切り出さないとダメか・・・。


「はー。」


「何?大きな溜め息。」


「わっ!!」


ビックリして振り返ると
そこには綺麗に着飾った彼女がいた。


「やあね。そんなに驚かないでよ。」


「ご、ごめん。考え事してたから。」


「ふふ。」


俺は彼女をエスコートして席に着く。

相変わらず綺麗で、誰もが目を引く美人だ。
ココアブラウンのゆるふわな巻き髪が
揺れる度に違う表情を見せ、透明感を引き出す。
陶器のような彼女の肌にピッタリだ。

手入れされたネイル、
スタイルの良さ、
程よく身体にフィットした
フラワープリントのワンピースをさらっと着こなす。
品があって何より華やかだ。

こんな完璧な女性を俺は手放そうとしている。


「ところで、話って?」


「もう、まだアミューズよ。」


「あ、いや・・・。」


彼女がゆっくりシャンパンを口に含む。


「マリアージュ。」


「え?」


「ここの料理とお酒って、
いつもマリアージュみたいって思ってた。」


マリアージュ・・・。
この前キュヒョンと話をしていたところだ。
今度一緒に探しに行こうって。


「私、今度結婚するの。」


「え?」


突然の彼女からの告白に、俺は動揺した。

そこからはもう何も味がしなかった。

俺は少なからずショックを受けていた。
まさか、俺と会わない一ヶ月の間に結婚を決めていたなんて。
もしかしたら、俺と重なっていた時期があったかもしれない。
そんな事が頭の中をぐるぐる回る。


「お見合いなの。親の勧めで。」


「あ、ああ。そうなんだ。」


俺はほっとした。
一瞬でも彼女を疑ってしまった自分を恥じた。
本当に恥ずべきなのは、俺のほうなのに。


「止めてくれないの?」


彼女の目を見ても、何も言葉が浮かんでこない。


「誰か・・・。いるの?」


「いや・・・。」


「もう、オッパと会えるのはこれが最後ね。」


彼女もまた俺と同じで
親の決めた相手と結婚させられるのだ。
特に女性は早く結婚を勧められる。

彼女の親は俺と結婚をさせたがっていた。

ただ俺は、
芸能界の仕事が軌道に乗り始めたところで
それどころではなく、
いつ結婚出来るかも分からない。
何年。いや、何十年待たせる事になる。

その後の話は殆ど覚えていない。
今日の彼女はいつもと違ってあまり話さなかった。
俺にゆっくり微笑みかけて
今までありがとうと食事を後にした。

これが彼女との最後の食事。

俺達はマリアージュすることが出来なかった。
俺の運命の相手ではなかった。

彼女をタクシーまで送って最後の言葉をかけた。


「幸せに・・・。」


その一言が俺の精一杯だった。
窓を開け、何か言いたそうな彼女の瞳に
うっすら涙が溜まっていた。


その夜、俺のひとつの恋が終わった。





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚





次の日からまた
いつもの慌しい日々が始まった。

一週間もしないうちに
なぜか俺が彼女と別れた事が広まっていて、
女性達からの誘いが頻繁にくるようになった。

先輩や後輩、友人から知人にいたるまで。
練習生もいつにも増して頻繁に顔を出しに来る。

大胆な子は自分の胸を俺の腕に押し付けアピールしてくる。


「すごいな。」


ウニョクがキュヒョンに話しかける。


「そう?」


「そう?ってお前、見てて分かるだろ?
あのシウォンのモテっぷり。
あ~。俺にも少し分けてほしいよ。」


「はは。」


「あの調子だし、
すぐに新しい彼女見つかるぜ。羨ましいことで。」


「・・・。」


またキュヒョンが一点を見つめて黙りこんでいる。
俺の目線の先にはキュヒョンがいた。
俺が女性に取り囲まれているといつもこうだ。



いつも?



もしかして、キュヒョン・・・。
いや、まさかそんな・・・。














つづく。

















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]