秘密 12 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

SUPER JUNIORのキュヒョンと、
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たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。


























どうしてソムチャイは僕に連絡を取ってこないんだろう。

おかしい・・・。

何かあったんだ。
空港で見たあの顔が忘れられない。
何も言わずに去って行った。

何かおかしい。

僕からは連絡することも出来ない。
幸い画像は出回っていない様だし、
こんな事誰にも言えない。
ましてやシウォンヒョンになんて。

シウォンヒョン・・・。

宿舎で会ってから一週間が経った。
次の日慌ただしく中国に行ってしまったけど、
いつも通り寝る前にメールや電話をしたりする。
僕たちは他愛ない話をして眠りにつく。

こんな穏やかな時間を過ごせて
本当はすごく幸せなのに、
どこか不安だ。

それはきっとソムチャイの事が片付いてないからだろう。

僕からは何のアクションも出来ない。
出来たところで、どうする事も出来ないんだけど・・・。











「キュヒョン、最近また塞ぎこんでる。」


「リョウクヒョン・・・。」


仕事の合間にリョウクヒョンが話し掛けてきた。


「もともと無口なのに、塞ぎ込むとさらに無口になる。」


「そう?」


そう言えば、最近メンバーとあまり話してない。


「何かあった?」


「んー。それが分からないんだ。」


「分からない?」


リョウクヒョンが不思議そうな顔をする。


「うん・・・。」


「・・・シウォンヒョンと喧嘩でもした?」


「はは。何でシウォンヒョン?
喧嘩なんてしてしてないし、フツーだよ。」


「そう・・・。もし、何か悩んでるなら僕で良ければ聞くよ。
何のアドバイスも出来ないかもしれないけど、聞くことは出来るから。」


「うん。ありがと。」


リョウクヒョンは優しくて頼りになる。
僕はどうして周りに心配ばかりかけるんだろう。

迷惑かけちゃいけないと思うと、余計無口になる。

しっかりしないといけないのに、足元が地に着いていないみたいだ。
こうやって不安のまま毎日が過ぎていくのかな・・・。

こんな時、
会いたいのはシウォンヒョン。

まだ一週間しか経っていないのに、もう会いたくなってる。

仕事は夜遅くまでかかった。






会社から出るともう真っ暗で、
ファンの子の数も随分少なくなっていた。

今晩僕は同級生との飲み会で、待ち合わせの店へ向かった。

店内は個室で他の客と顔を合わせることは滅多に無い。
安心して食事をすることができた。


「久しぶり。」


「よう。久しぶりだな。キュヒョン。」


男が5人集まって、高校時代の話で盛り上がる。
みんなかなりの酒豪で、僕達は休む間も無く酒を酌み交わす。

人生とは不思議なもので、
こうやって一緒に学生時代を過ごしてきた仲間が
それぞれの道を歩んでいる。

僕は歌手になった。

友人達の中には結婚したり、子供が生まれた奴だっている。

僕は・・・。
結婚なんて考えられない。
かと言って、シウォンヒョンと一緒になれないのも百も承知だ。


でも・・・。


夢でもいいから、
僕の中でだけ想うのは悪いことじゃないよね?


「僕、ちょっとトイレ。」


「お?なんだキュヒョン。もうトイレか?」


「まだまだこれからだぞ。」


「アハハ。分かってるって。お酒、頼んでおいて。」


気兼ね無い友人達との会話。
久しぶりに楽しく過ごせて、僕は上機嫌だった。


薄暗い店内を歩いて行くとトイレがあった。





「やあ、キュヒョン。」





僕の背後から声がした。
僕は一瞬で凍りついた。

聞き覚えのある声。
一番聞きたくなかった声。

トイレのドアがゆっくり閉まる。

鍵をかけられ二人きりになった。





「久しぶりだな。キュヒョン。」





ソムチャイがニヤリと笑った。
















つづく。















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]