係争中の緊張感と
夫への愛憎交錯する思い
それに加えて、金銭的な焦燥感
多方面からのストレスに晒されて
精神的に消耗している中で聞いた
夫からの最低すぎる要求
私をわざと挑発しているのかと思うほど
無神経で無遠慮な内容に
『こんなやつは有罪で然るべき』だと
速攻で夫を突き落としたくなりました
夫が私をイライラさせている頃
もう一方では
義父母たちも
本家で騒動を起こしておりました
一緒に連れて行かれた
義弟の話によると
周りに弱みを見せるまいとした義父母は
自分達で私選弁護士を探そうとするも
金銭的に全く太刀打ちできず
分割払いをお願いしようとしても
年収が低すぎてお断りされてしまい
どうしようもなくなったため
事件4日目にして本家への相談を決意
通報した義弟に
今回の事件の責任を負わせて
”大袈裟に反応して通報しただけで
兄は本当は何もしておらず冤罪だ”
そう証言させて
心証を良くしようとしていたそうです
義弟は最初は断固拒否したのですが
考えを変えて同行することに同意
そうして
義父母と義弟は
本家へと出かけることになりました
本家の居間に通されてすぐ
本家の旦那様と奥様を前にして
義母：
「お願いです！息子のために
良い弁護士さんをつけてください！」
先走った義母はガバッと土下座
旦那様たちもドン引き
慌てた義父が
引き起こそうとしましたが
義母の重量級わがままボディは
そう簡単には床から浮き上がらず
逆に義父のほうがよろけていたそう
旦那様：
「土下座なんて必要ないですよ
これでは話も出来ないですしね」
義母：
「じゃあ！本家の優秀な弁護士さんを
息子のために手配してくれるんですね！」
旦那様：
「じゃあ…って、義母さん・・・
話が繋がってないじゃないですか」
旦那様は苦笑しながら呆れ気味
義父：
「うちの家内が本当にすみません
息子の安否が心配で取り乱してて…
ただの息子夫婦の痴話喧嘩なのに
こいつが大袈裟に騒ぐもんだから
警察がくる騒ぎになってしまって…
ほれっ、お前からも謝るんだぞっ」
そう言って義弟を小突いて
謝罪を促したそうです
ですが、義弟は無言のまま
義母：
「なに突っ立ってるんだよ！お前のせいで
兄さんが大変なことになってしまって…
本当ならお前が土下座して頼み込むんだよ
自分が悪かったですって謝るのが筋だろ！
何のために連れて来たと思っているんだい！」
怒りを義弟にぶつけながら
義母はさらに続けました
義母：
「旦那様、この通り後生ですから
なんとか弁護士を手配してくださいよ！
息子は被害者！陥れた嫁は一族の敵ですよ！」
旦那様：
「被害については警察が捜査中でしょう？
というか、何の説明も聞いていないので
僕たちには何とも判断しかねますけどね」
そう言って
経緯説明をすっ飛ばして
弁護士！弁護士！騒いでいることを
暗に非難しているようでしたが
微妙な機微を
全く察知できない義母
義母：
「息子が可哀想で可哀想で…不憫すぎます！」
「息子は冤罪事件に巻き込まれているんです！」
「良い弁護士さんに息子を救ってもらって
逆に嫁に制裁を加えるべきだと思うんです！」
なんとか本家に味方になってもらおうと
何度も何度も食い下がっていたそうですが…
旦那様：
「制裁を加えるのは僕たちじゃないですよ
どちらが悪かったのかは法が判断してくれる」
旦那様の中立の立場は変わらず
義母：
「息子を想う親心を分かってくれないんですか？
冤罪被害に遭ってしまうかもしれないんですよ？
このままでは一族から犯罪者が出てしまう…
そんなことになって本当にいいんですか！？」
『自分と長男は悪くない』という
謎の信念を常に持っている義母は
本家の立場を煽るように
脅し文句まで出して詰め寄ったそう
これに反応したのは
旦那様の隣で静観していた奥様
奥様：
「ちょっと・・・いいかしら？」
やかましく喚く義母とは対照的に
静かに静かに話し始める奥様でしたが
その額には青筋が立っていたのを
義弟は見逃さなかったと申しておりました
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