奥様1:
「私が若い時はもっと大変だったんだよ
お姑さんが毎朝子作りのこと聞いてきて
私なんて上2人が女の子だったから
息子が出来るまでは生きてる心地しなくて」
私:
「今よりも遥かに厳しい時代ですもの
それはすごいプレッシャーでしたよね・・・
その中でお子さん3人も産んで尊敬します
旦那さん自慢の奥様ですよね・・・すごい」
感嘆の溜息をつくように
本心を織り交ぜて呟きました
その後も
奥様が最も自慢とする
家族の話や苦労話に付き合い
相手をコントロールすることに長けた
あの義伯母のように
相手が欲しい誉め言葉を淀みなく与え
会話の主導権を徐々に取り返す作戦が
今こそ必要だと思いました
誉め言葉に気を良くして相好を崩す奥様
奥様:
「それにしても、あんな秀才だった息子がね~
実の弟に通報されて警察行きだなんて
人生何がどうなって転落するか分からないね
ピアノだ剣道だって賞状見せられたけれどさ
あんなもの何の役にも立たないってことだね
うちの息子のほうがよっぽどまともに見えるよ」
この奥さんの息子さんは夫と同学年で
自慢好きの義母には
随分と悔しい思いをさせられたことは
既に知っておりました
私:
「まともだなんて・・・そんな・・・
立派な息子さんだって聞いていますよ
お勤め先に勢いがあって安定していて
本当に本当に羨ましい限りですよ
お嫁さんも可愛いお孫さんもいらして
これ以上ない親孝行の息子さんじゃないですか」
息子さんは小さな建設会社に就職したのですが
その後、会社が震災関連の事業を請け負うことになり
業績大きく伸ばして支店を出すほどに急成長
奥様1:
「ま、ま~ね~、高校卒業してから
ずっと同じ会社で一途に頑張ってくれてね~
最初は薄給でボーナスも無かったけれど
今や現場監督の補佐みたいな形に出世してね」
私:
「新卒採用の会社で失敗して信金勤めで
しかも、夫の給料だけでは食べていけず
妻がパートに出なきゃならないうちと違って
息子さん一馬力で支えているなんてすごいです
今は共働き家庭が多いじゃないですか」
奥様1:
「全然うちなんて大したことないけど~
ま~でも嫁は働かずに子育てに専念できるし
そっちの旦那と違って大卒でもないけれどさ
結局、大人になってからの方が長いでしょ~」
私:
「うちと奥様のとこじゃ勝負にならないですよ
特に息子さんと夫は随分差が出ちゃいましたね
お嫁さんみたいに家で子育てだなんて憧れですし
私には一生叶わない夢かもしれませんから・・・」
奥様1:
「やだ~憧れだなんて大袈裟だよ~
でも、産みたくても産めない人もいるし
今は専業主婦が高嶺の花だって言うものね~
やっぱり男は学校時代の成績なんかよりも
真面目さと甲斐性だってことだろうね~」
そう言って
勝ち誇った顔をする奥様
話の流れが
私の手元へ流れてきたような
そんな手ごたえを感じていました
一番避けたいのは
我が家との比較で些末な差異に嫉妬して
今回の件で悪評を立てられること
このまま優越感に包まれて
うちのことは放っておいてほしい
その念押しをするためもあって
気が進まなくても訪問を決意したのです
しかし
ほっとしたのも束の間
奥様1:
「それで、離婚はするのかい?」
きっと
一番核心の質問だったのでしょう
ギラリと目の奥を光らせて
真っすぐに問いかけてくる奥様
”この田舎から脱出するのは許さない
同じ嫁なら最後まで苦労して当然”
そのような怨念が込められた
脅しを含んだような強さが
語尾に滲み出ており
一瞬で部屋の雰囲気が変わったのを
肌で感じました
ひとつでも返答を間違ったら
命取りになる会話
笑顔を崩さずに受け止めましたが
内心では息が詰まる思いでおりました
笑って学べる
心理的裏付けなどもう少し深堀りが欲しいけれど
名著「マインドフルネス」をパロったような
シュールな外観かつ、独創的で着眼点が秀逸な本
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SNS普及で一億総マウント時代と言われている今
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