私達夫婦に子供が授からず

我が家に跡継ぎができないのは

 

”私が非協力的なせい”

 

このような事実無根の

屈辱的な言いがかりに

一矢報いなければならない

 

今日こそはと

心に決めておりました

 

 

もちろん

 

男性不妊は

デリケートな問題だから

 

バラしたら可哀想かなと

ほんの一瞬は考えましたが

 

今までの仕打ちを考えたら

それくらいのこと・・・

まだまだ生ぬるい

 

 

それに

 

長男と次男の精液を混ぜて

何食わぬ顔で

不妊治療へ持参するという

 

義母の提案

 

想像するだけで

吐き気がするほどおぞましく

倫理観の欠片もありません

 

 

ですから

 

夫の男性不妊や

義母のトンデモ提案を

旦那様達に躊躇なく晒しました

 

 

 

奥様は

驚きの声を発した後

 

口元を押さえて顔を背け

本当に気分が悪そうにしておりました

 

 

そして

晒された夫と義母も同様に

お互いに罪を擦り付け合いながら

引きつった顔をしていたのです

 

 

どんな扱いを受けても

これまでの私は従順だったので

 

おそらく義家族は

まさか私が牙を剥くだろうとは

思いもよらなかったのでしょう

 

特に夫は

そういうオメデタイ部分があります

 

コンプレックスの塊のクセに

 

自分は私に愛されている

その価値が自分にはあると

 

思い込んでしまっているのです

 

 

夫が泣いて結婚を懇願して

私が渋々了承した形だったのに

 

いつの間にか記憶が改ざん

 

夫の中では

”嫁にベタ惚れされる尽くされる俺”

 

みたいな物語が

勝手に出来上がっていて

 

キャストである私が

夫の希望通りに振る舞わないと

途端に不機嫌になるのです

 

そんな監督・・・マジでいらない

 

 

これを機に

目を覚ましてもらおうと思いました

 

 

 

私:

「夫は私の非ばかりを責めますが

そもそも夫は男性不妊なんです

どんなに頑張っても子供は難しいです

不妊治療は女性にばかり負担が多く

貯金が無い中、成果が約束されない

高額な治療は非現実的です

 

子供は可愛いでしょうし

地域の宝であることは間違いない

 

ですが

その前に夫婦の在り方が

きちんとしていなければ

子供にも影響すると思います

 

少なくとも

”子供が出来なかったら養子”

”次男の精液を混ぜて受精”

 

こんな価値観を持った家族とは

一緒にいられませんし

 

きちんと話し合いもできず

夫婦として向き合えない夫とは

もう結婚生活は無理です」

 

 

緊張しながらも

旦那様達にお伝えしましたが

 

一呼吸おく間もなく

 

即座に

いちゃもんつけてきたのは

 

義母ではなく義父滝汗

 

 

 

義父:

「跡継ぎを望んで何が悪いんだ!」

 

 

下唇を不気味に震わせながら

更に続けました

 

私はどうにも

父親年代の男性の怒りが

苦手で仕方ありませんあせる

 

 

義父:

「お前・・・俺達に恥をかかせやがって

跡継ぎが出来なかったら

親戚筋から養子をもらうなんて

そんなのは普通のことだ!

それをキチガイみたいに言って

俺たちを悪者扱いしやがって!

俺はな、ただ跡継ぎが欲しいんだよ

息子が悩んでいる姿を見たくない

少しでも可能性があるのなら

何故お前は治療に協力してくれない!?

どうして旦那様たちに

俺たちのことを悪く言うんだ?」

 

 

後半は懇願のような口調で

私を責めました

 

 

私:

「今と昔の常識は違います

簡単に養子と言いますが

子を奪われる親にも苦悩があるし

本当なら実の親と過ごせるはずの

大切な幼少期を失う子供側の損害

この二つの喪失を考えたら

事の重大さに震えて

養子なんて簡単に言えないですよ

人生や命を簡単に考えすぎです

価値感が根本的に理解できません」

 

 

義父:

「知ったふうなことを言って・・・!

どれだけ跡継ぎが大切か

お前には分からんだけだ!」

 

 

私:

「お義父さんも、夫君も

跡継ぎに縛られすぎだと思います

長男至上主義が

夫君をダメにしています

長男であることを取ったら

夫君に何が残りますか?

私は夫君に長男という下駄を脱いで

地に足をつけて生きてほしいです

長男というだけで両親からチヤホヤ

こんな接し方は人間をダメにしますよ」

 

 

義父:

「俺たちの育て方が悪かったと?」

 

 

私を睨みつける義父

見かねた夫がようやく間に入り

 

 

夫:

「もう二人とも止めなよ

まゆみは愛情を受けられなかったから

俺みたいに両親が二人そろっていて

普通に愛されてきたことを

ただ羨ましく思っているんだよなっ?」

 

 

 

チーンチーンチーン

 

は???

何そのフォロー?

 

なんでこんなポンコツ夫を

羨ましいと思わなきゃならんの?

 

もう・・・本当に

どんだけ夫はオメデタイのか

理解不能な領域でした

 

 

私が絶句していると

 

義父:

「やかましいこと言わんで

とっとと子供を産め!!!」

 

 

勢い余った義父の暴言に

厳しい目を向ける奥様

 

 

義父も今のは失言だと

ハッとしたようでしたが

 

後の祭りでした

 

 

 

 

続きます

 

 

 

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