Aさんが騒がしく帰ってから
一家全員が揃って家族会議
面倒ではありますが
家族の問題をみんなで決めるという
家族会議の習慣は
民主国家の一員っぽくて
この家で唯一いいなと思うところです
北の某国のような存在の義母に
いつもかき回されておりますので
気は抜けませんが
今回ばかりは
Aさんの無礼な振る舞いに
腹を据えかねているようでした
義母：
「もうあんな姪のことは知らないよ！
あの子のせいで私の生活が壊れたんだ
姉さんには申し訳ないけれど
もうあの子のことは知らない！
お父さん、お願いですよ
援助は姉さんだけにしてください
姉さんに言ってAちゃん親子に自立してもらう
それでね、前みたいに
私が姉さんのところに行って援助しますよ
そうすれば姉さん一人だけの援助でしょう？
うちの負担が少なくなって
そのほうが良いに決まっていますよ！」
いやいやいやいや
義母に援助物資を持たせて
義伯母の元に行かせるなんて
鴨が葱を背負って来る状態で
そんなの絶対にダメなヤツに
決まってるじゃないですか
義弟と義妹も大反対
義弟：
「そんな母さんに都合の良い状態
俺たちが許すわけないだろ！
こんなに頑張って農業して
なんで伯母さんにあげなきゃなんないの？
ってか、子供が働いた分を自分の姉にって
母さんって母親の心ちゃんと持ってんの？
それにさ、Aさんが言っていたっていう
”ママは何か隠してる
叔父さん家族だけが切り札なわけない”って
俺、そっちのほうが気になるよ
公務員の伯父さんの財産分与とか
年金の分割の取り分とか
何か隠している財産があるんじゃないの？」
義妹：
「そーだよ！騙されてるんじゃないの！
うちらばっかり泥まみれで働いて
伯母さんはお家でのんびりして
うちからの援助を待っていて
Ａさんは聖書の研究とかって
馬鹿にすんなって気持ちになるよ！
働いているこっちの気持ちにもなって！
うちのお金を他の家族にあげないで！
うちが幸せになるために使おうよ！」
夫も控えめにですが抗議
夫：
「まあ、とにかく母さんだけが行くのは
ちょっとどうかと思うよ
伯母さんに言いくるめられるだろうし
本当に困っているなら仕方ないけど
財産の事とかもっと聞いたりできないの？
本当に伯母さん困ってるの？」
他の二人よりは穏やかに
義母の顔を見て語り掛けていました
義母：
「なんて薄情な子達なんだろう！
母親のお姉さんが困ってるんだよ？
なんで助けてあげようと思わないのさ
まゆみさん！あなたは援助を断ったらだめよ
これまで通りにちゃんと差入れ料理
絶対に作るんだからね！いいね！」
とんでもない剣幕で
名指しされてしまいました
私：
「いえ・・・あの、そういうのは
お義父さんが決めることなので
私は何ともお答えできないです」
義母とは議論したくなかったので
この二年で培ってきたスルー技術で
標的になることは避けようと思っていました
私：
「お義父さん、援助の在り方ですが
伯母さまとＡさんは
本当に援助が必要な状態でしょうか？
Ａさんが言っていた伯母さまの財産など
まず現状把握が必要だと思いますし
何よりも子供達のことが心配です」
超ド田舎では
役所勤めは地元出身の人が多く
本当はいけないのでしょうが
内情が筒抜けになったりするので
窓口に相談に行っただけで
噂になったりもしますし
公的サービスや母子手当など
補助を受けることを
恥べきことと考える人が多く
無理をしてでも
自分達だけの力でなんとか生活しようと
無理する風潮があります
でも、義伯母の場合、
そういう恥の感覚から
公的な補助を避けているようには
どうしても見えませんでした
何かありそうな予感
義母：
「まゆみさん！失礼を言うんじゃないよ！
まるでうちの姉が
隠し事をしているみたいじゃないか！
困っているのを助けるのが看護師だろ？」
・・・
私、お給料の対価として
働かせていただいているだけで
無償で誰かを助けるだなんて
看護師でもそんな義理はありません
もちろん目の前で見知らぬ方が倒れていた時は
考えるより先に体が動いて救助したこともありますが
義母は
普段は看護師を馬鹿にするのに
都合の良い時だけ
看護師を神格化して
ボランティアを押し付けてきます
義父：
「とにかく近々、俺が何とかする
義姉さんへの援助は少し考えよう
母さんの姉を思う気持ちは分かるが
俺は自分の娘のほうが大切だ
金があるなら娘の借金を返してやりたい
それに義姉さんもＡも
ヤル気があれば働けるだろう？
でも、子供達は可哀想だ
子供達がここに来たいと
そう望むなら俺が迎えに行く
せめて週末はこれまで通り預かる
それは決定だ、いいな」
小作業を始めてから
収益を望める自信が出てきたのと
本家や頼れる農家さんと交流し
良い刺激になっているせいか
義父は以前よりも
考えがまともになってきたようで
私も義父の意見には賛成でした
良くも悪くも
この家では義父の決定は絶対です
義父の最後の一言で
みんな納得したように見えたのですが
やはりここで
義母節が炸裂
あれだけ大暴れしてもまだ足りないの？
注）この日はまだ漬物をぶちまけた日です
義母：
「お父さん、それなら、
姉さんもうちに引き取りましょうよ！」
義母の悪あがきに
家族全員が白目
黙れ！
このおたんこ茄子！
口汚い言葉が
喉元まで出かかりましたが
義弟：
「母さん！馬鹿言ってないで！
いい加減にしてくれよ！
伯母さんを家に入れたら
うちの唯一の財産の農地まで
絶対に取られる自信あるから！
父さんが決めたことで決定、以上だよ！
撤収！撤収！
もう早く寝てくれよ！」
この日は義弟の早く寝ろコールで
家族会議が終了
義父によって
夫婦部屋に連れ出されて行きました
後日、義父が
義伯母の元旦那様とお話をしたり
Aさんがとんでもない挙に出たり
色々事件が起こっていますが
この日の出来事は
この回でお終いになります
お読みいただき
ありがとうございました
またご報告いたしますね
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今年風にワンピに重ねて
秋春のしっかり重ね着にも使えるし
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