朝がくる。
朝がまたくる。
鳥が鳴いている。

朝がくる。
朝がまたくる。
東の空は白んでいる。

追い詰められた西の空は、
悪あがきにと真っ黒な手を伸ばして
地平線を真っ直ぐに
黒く、黒く染め上げた。

東の空も底意地の悪いもんで
西の空を追い詰めてやろうと
一足先に朝を迎えた明星と
じわり、じわりと光を放つ。

あと数分もすれば
その明星も
太陽からの裏切りを受けて
この空から姿を消すのに。

東の空と
西の空の
攻防は続く

夜と朝
朝と夜
明けと宵
宵と明け

私はもう一度布団をかぶり
黄昏時を作り出す。
布団の中の誰ソ彼刻は
知ってるはずの
あなたの寝息すら
曖昧なものにしてくれた。

ああ、今日も
東と西の
ちょうど真ん中で。