先日、とある高校で生徒達の前で演奏するという機会があった。
演奏場所は教室。防音施設もない、自分の音もあまり聞こえないような環境の中、演奏した。
その演奏中に見えた景色、なんとまぁ、キラキラした顔達だこと。
世界中で今一番楽しいのは私です!という顔を全員がしている。
そうだよなぁ、私も高校の時、いつも全力で楽しかったよなぁ、と甘酸っぱいような、くすぐったいような青春時代を思い出してみた。

高校一年時…
・担任の先生がなぜか中国で気功を修行した人だったため、HR時はいつも気功を習う。他クラスから全力で白い目で見られる。
・文化祭で他クラスが真面目な劇や展示をしている中、ライオン○ングのパロディ喜劇を敢行。人生初の『天井からタライ』を体験する。結構痛い。
・憧れていた先輩から第二ボタンをもらうことに成功!しかし受験でしばらく見ない間に、先輩はジャガイモみたいな顔になってしまい淡い恋心は消滅。

高校二年時…
・体育祭で全校を応援する応援団に所属。なぜかお笑い枠だった為、全校生徒が昼食をとっている中、初夏の日差しに焼かれながら段ボールに三十分待機。笑いは体を張って取りに行くことを学ぶ。
・全身タイツに身を包み、校内、街中を本気でダッシュした文化祭。恥ずかしがったら負けという根性が身についてくる。

高校三年時…
・演劇の授業の卒業公演で、いつもサスペンスの台本しか書かない先生がなぜか私達の学年にだけ喜劇を書き下ろす。これしかないと思ったと告げられた時は、正直おかしな話だよと思った。
・卒業式の歌をユーミンにするか合唱曲にするかクラス対抗で大論争。勉強しろ。

…なんと甘酸っぱくてくすぐったい青春時代だろうか。校庭の草を食べて舌が痺れたのはここだけの秘密だ。
思い出してる間に少しだけしょうもない気持ちに襲われたが、あの時の私はこれらを本気でやっていた。
真面目な生徒からしたらなんとアホな女なんだと思われていただろう。
しかしこの悪ふざけを真面目にやっていたからこそ、何に対しても今全力で楽しめる。
悲しいことも、辛いことも、苦しいことも、しょうもないと思うようなことだって、視点を変えれば何か楽しいことに変わる。
全部が全部変わるわけでは無い。しかし、100辛かったことが90辛い10楽しいとなれば思い出話をする時にきっとその100の内の10を話すだろう。
私はその10が好きだ。
まずは悪ふざけをしてみよう。ふざけて隣の人を笑わせてみよう。
誰かのためとかではなく、自分の大事な心のために、私は全力の悪ふざけをすすめる。