今回の地震で、国内の探鳥地でも壊滅的な被害をうけた場所がいくつか報道されていますが・・・

最も大きな被害は私が予想していなかったところで起きていたようです。

http://www.cnn.co.jp/usa/30002213.html

ミッドウェー環礁といえば、日本人にとっては太平洋戦争が思い浮かぶところですが、今では海鳥の大繁殖地となっています。残念ながら、研究者のみしか立ち入りできないそうですが・・・。

コアホウドリ45万ペア、クロアシアホウドリ4万ペア、その他アジサシ類、ミズナギドリ、ハワイモンクアザラシ等の生息地として有名です。アホウドリ類の繁殖地としては北太平洋では最大の島です。

そのうちアホウドリ類11万羽の雛が死亡、シロハラミズナギドリにも被害が出ているとのこと。

コアホウドリ、クロアシアホウドリというと、国内の航路では普通に見られるのですが、それでもそれぞれVUとERに指定されているのが現実です。

こうした珊瑚礁系の島に住む鳥にとっては、津波の脅威は侮れませんね。

$Kea's Field Note

ここはオーストラリアの有名なアジサシ類の繁殖地ですが、標高など最も高いところでも3.5mしかありません。付近は地震が起きるような場所ではありませんが、遠くでも大型の地震が発生した場合・・・海水をかぶる可能性は否定できないと思います。

幸いなことに、今回のミードウェーでも、生息数に与える影響は限定的と評価されています。
海鳥の場合、産卵数が少ない反面、寿命が長く、成鳥の死亡率が極めて低いため、たとえ1年だめになっても取り返しが付きやすいものと思われます。台風や長雨、高潮などで同じように大きな被害が出ることもあると聞きます。

過去、このような被害は何度となく繰り返されてきたはずであり、とすると我々があまり気を揉むことではないかもしれませんね。むしろ人間の開発のほうが驚異ではありましょう。

しかし、もともと人間のせいで生息数が減っていたところに、自然災害が追い打ちをかける、という話は、津波に限らず耳にする話で、注意したいところです。