【なう】クレオパトネダさん 10 | トランセルもかに玉の素も全部混ぜくっちゃってどろろんぱ!

【なう】クレオパトネダさん 10


メイドもどき、参上。
6/30 12:52
物理的に朝が来てしまいました。
6/30 12:53
意味がよくわかりませんが、とにかく日が昇りました。
6/30 12:53
頭をぶつけたまま寝ていたクレオパトネダさんは、よっこらしょと起き上がりました。
6/30 12:54
ちょっと離れた所で寝ている残念なデブ犬を蹴っ飛ばすと、そいつは「あーもーうるせぇな」と鳴きました。
6/30 12:55
スフィンクスでした。見紛うことなきスフィンクスです。
6/30 12:56
強調する理由はありません。
6/30 12:56
デブ犬は起きて、真っ先にクレオパトネダさんの脚に噛み付きました。
6/30 12:57
「いたたたた!!何するのよデブ犬っ」
6/30 12:57
「うるせー、俺の睡眠を妨げる奴はみんなこうしてくれる!」
6/30 12:58
寝起きの子供が言いそうな言葉を発しながら、スフィンクスは尚も噛み付こうとします。
6/30 12:58
「やめなさい、さもなくば」クレオパトネダさんは、手近なところから細長い缶を持ち出します。
6/30 12:59
「私がこうしてくれます」しゅー、と一噴き。犬ぱったり。
6/30 13:00
クレオパトネダさんの三種の神器の一つ、それは
6/30 13:00
「殺虫剤ですか!!!!」怒ったところでどうしようもありません、薬剤が体にしみこみます。
6/30 13:02
「ちくしょおおおぉ…復活したら、必ず…刺す…」がくっと気を失った犬を見て一言、
6/30 13:03
「犬って刃物を持てるっけ、無理じゃね…」と言ってしまう少女でした。
6/30 13:03
その様子を廊下の陰から見ているものがありました。
6/30 13:04
「ふん、クレオパトネダ…あたしが先に殺ってやんよ」
6/30 13:05
不穏な台詞を吐く少女は、従順なメイドさんとセバスさんのうちの一人のようでした。
6/30 13:06
クレオパトネダさんは誰も殺そうとしていないのに、変なことを言う人です。
6/30 13:07
そのメイドは、頭にキリンの人形を被っている非常に目立つメイドです。
6/30 13:07
そんなところに隠れていてもきっと見つかってしまうだろうに、やっぱり変な人です。
6/30 13:08
「誰」早速気づかれてしまいました。
6/30 13:09
しかし、敢えてメイドは知らないふりをしました。
6/30 13:10
「あなたよあなた。丸見え」クレオパトネダさんは指を差しました。
6/30 13:10
「あたしはあなたに仕えるメイドよ?わからないって言うの?」
6/30 13:11
「そういうことじゃないでしょう。何でここにいるの?と言いたいのよ」
6/30 13:12
クレオパトネダさんのいる部屋は、この屋敷の中では一番奥に位置し、しかもえらーい人でなければ入ることが許されない場所です。
6/30 13:13
そんな部屋に、一介のメイドがふらふら入っていいはずがありません。
6/30 13:13
しかも彼女は、目の前に少し見えるあのメイドについてまったく見覚えがないのです。
6/30 13:14
これは、どういうことでしょう。
6/30 13:15
「何で、って」メイドは口篭りました。
6/30 13:15
「たまたま道に迷っただけよ。この屋敷は広いから」
6/30 13:16
そう言うや否や、メイドは走り去りました。
6/30 13:17
クレオパトネダさんもあまり言及せずに、そのまま放っておいてやりました。
6/30 13:17
「よぉ、今の女誰だ?」気を失っているはずのスフィンクスが目をうっすら開けながら言いました。
6/30 13:18
「わからないわ。見覚えがないもの。もしかしたらあの子…モグリかも」
6/30 13:19
「だろうな。初めて嗅ぐ匂いだから」
6/30 13:21
「えっ?すごいわね、たまにはやるじゃない」スフィンクスが初めて犬らしい言動を見せたことに、クレオパトネダさんは大変驚きました。
6/30 13:21
それはそうと、先ほどのメイドが何のためにここに来たのか、そして何故逃げたのかが気になります。
6/30 13:22
「私…殺されるかもしれない」勘の鋭い彼女は、おもむろに口にしました。
6/30 13:23
「そうよ。よくわかったわね。流石エジプトの娘」声の主は、メイドでした。
6/30 13:24
「あのー、私エジプト人じゃないんですけど」クレオパトネダさんが言います。
6/30 13:25
声は、あるはずのない天井の穴から聞こえます。メイドが作ったのでしょう。
6/30 13:26
ちょっと、人んちの天井に穴開けないでよ!許さない!激昂する少女をよそに、穴からメイドがするすると降りてきました。
6/30 13:28
「クレオパトネダ。あんたの財産を、奪いに来た」
6/30 13:29
うーわー、よくある強盗じゃん!とスフィンクスがずっこけると、メイドがそっちを見ました。
6/30 13:30
メイドはじっと彼を見つめると、「それと。この喋る犬も頂く」と欲張りなことを言いました。
6/30 13:31
ええええええええええ。一人と一匹は、目の前が真っ白になりかけました。
6/30 13:32
つづく。
6/30 13:32