野人と行く秘境のイワナ天国2 | 1400GTR買っちゃいますたよ~!!

野人と行く秘境のイワナ天国2

ロジャーさんのお宅は名神高速の一宮JCTから
東海北陸道に入って一つ目の一宮西ICで降り
数分走った閑静な住宅街にありました。


お住まいはかなり大きなお屋敷で、高い塀を
めぐらせた敷地は200坪近くありそうです。


インターフォン越しにお迎えに来た事を告げると

「ああ、あんたかね。済まんけど勝手口の方に回ってちょ」

ロジャーさんのダミ声が答えました

勝手口にまわり待っていると、木戸が開き、シルクのパジャマ
の上にウールのナイトガウンを羽織りDAKSのレザースリッパ
を履いたロジャーさんが出て来ました。


口にはダンヒルのルビーパークを咥え、片腕にシャム猫の
はく製を抱いています....


「あんたが遅いで一杯やっとった所だわ」

そう言うとロジャーさんはもう一方の手に持ったバカラの
ブランデーグラスに
入ったカルピスを揺らし、ウットリした
目で香りを楽しん
でいます....

ああ、そう言えばこの人下戸だったっけ....

「ちょっと支度してくるで待ったってちょ」

ロジャーさんは一旦家に入り暫くすると釣りの装備に着
替えて戻って来ました。

氏は私より少し年上ですが、あるスポーツのプロプレーヤ
ーです。
主に野外で行われるそのスポーツで浅黒く日焼けした顔
や激しい運動で引締まった筋肉質の身体はとても60過ぎ
には見えません。

「さぁ、準備出来ましたよ。そろそろ行きましょうか」

私は車にロジャーさんの荷物を積み込むと、深夜の住宅
街で四股を踏み電柱を相手にぶつかり稽古をする氏に声
を掛けました。

「ごっちゃんです」

薄っすらと汗ばみ上気した顔でロジャーさんが答えました

「ガングロおやじ」1400GTRオーナーズクラブ内の口さが
ない一部のメンバー(特に中国地方)でそう呼ばれる氏で
すが、なぜか今夜は一段と顔が黒く感じます....

そう思ってよく確かめると驚いた事にロジャーさんの顔に
は一面びっしっりと墨で経文が書かれています....

「ロ、ロジャーさんどうしたんですか!そ、その顔!」

驚きのあまり私の声は裏返ってソプラノになりもう少しで
脱糞するところでした....

「ぐへへ、今日行く川はよ。出るだよ。」

ロジャーさんはそう言うと白目を剥き、腕を胸の前に持っ
てきてぶらぶらと振って見せます....

「耳なし芳市かよ....」

私は少し呆れてそう呟くのですた....


つづく
か?