行書H24-3
内閣の「責任」について書かれた次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 日本国憲法における内閣は、衆議院に対してのみ「責任」を負うのであり、参議院に対しては「責任」を負っていない。

2 日本国憲法は内閣の「連帯責任」を強調しており、特定の国務大臣に対して単独の「責任」を負わせることは認めていない。

3 明治憲法では、君主に対する内閣の「連帯責任」のみが規定されており、衆議院に対する「責任」は想定されていなかった。

4 内閣の「責任」のとり方は任意かつ多用であるべきなので、日本国憲法の下で総辞職が必要的に要求されることはない。

5 大臣に対する弾劾制度を認めない日本国憲法においては、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であって狭義の法的責任ではない。


※新試験制度以降の行書憲法「らしい」問題という印象。最近はオトナシメな気がしますが、毎年一問はあるなぁ。

さて、資格学校の解答速報では総じて5が正解とされているようなのですが、私は2じゃないか?と思うのです。確信は持てないのですが。

5は、衆議院の内閣不信任決議により内閣が憲法上総辞職しなければならないことは、法的責任と言えるのではないか(憲法69条•70条)。ただ、「狭義の法的責任」という言い回しが気になります。

2は、特定の国務大臣に対する「責任」規定は、無いような。

憲法68条の国務大臣の任免?

しかし、これはあくまで総理大臣の権限規定であって、内閣の国会に対する「連帯責任」とは無関係では?

何か見落としていますかねぇ。


【追記(2012.11.15)】
色々な文献などを調べつつ再検討してみたところ、やはり5が正解となりそうです。

※「確答」は試験センターの発表までお待ちください。

私は、2の「認めていない」を、「規定していない」というようなニュアンスで解釈してしまったかも知れません。

憲法に規定はありませんが、問責決議等の結果を契機として、辞職という形で事実上の責任を負わせることは、行われていると言えるでしょう。つまり、憲法上禁止されているわけではなく、「認めている」でしょうね。

※3の明治憲法では、「国務各大臣」の責任と規定されていたので、それとの比較から誤読したかも。


また、5の「政治責任であって狭義の法的責任ではない。」とは、「原則として政治責任では無い」というような意味合いかも知れません。

5が間違いとすると、4がヒントになり過ぎる感があることからも、出題者は5を正解と考えていそうです。

失礼いたしました。



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