「半導体戦争」:超競争 | リベラルアーツの精進と実践の日記

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通算97か国訪問し農村・スラムから先端企業徹底取材。世界情勢、歴史、哲学、アート、テクノロジー、ビジネスを繋げ、世界の行方を思索する。

クリス・ミラー著「半導体戦争」を読みました。

 

・TSMCを超える精度でチップを製造できる会社は世界に一つもない。同社が開発した微細ばトランジスタの大きさは、新型コロナウィルスの半分以下。ミトコンドリアの直径の100分の1に過ぎない。

 

・1965年は、軍事と宇宙がその年に生産される回路の95%以上を占めた。しかし、より大きな民間市場を開拓することが必要だった。

 

・日本の降伏から数年たらずで、アメリカ政府の国防当局者は、弱い日本よりも強い日本の方がリスクが少ないと判断した。核物理学をつぶそうとする一時的な努力を除けば、概ね科学技術大国としての日本の再来を支えた。

 

→終戦直後の警戒感は相当のものだったのでしょうね。日米のこのようなわだかまりについては、現在でもゼロではないので、国際関係を見る機軸としては重要なのでしょうね。

 

・盛田昭夫曰く「こちらから新製品を提案して大衆を引っ張るのが我々のやり方」。

 

・GEの経営幹部のスポーク曰く「日本の労働者たちは、驚くほど会社思いであり、家族より会社を優先していた。これは厳しい競争になると思った」。

 

・盛田は、ニューヨークにいる時は必ずメトロポリタン美術館の向いにあるアパートに街の富豪や有力者を招いた。

 

・日本との競争が激化した瞬間アメリカの半導体メーカーCEOはワシントンに滞在してロビー活動に費やした。

 

・インテルはDRAMチップに見切りをつけて、PC向けチップを独占する道を選んだ。インテル自身を破壊したのだ。

 

・ソ連のコピー戦略は、ソ連の技術的な遅れを宿命付け、むしろアメリカを利した。

 

・台湾政府は、TSMCの投資金に不足が生じないように手厚い税制優遇を行った。TSMCの幹部の多くはシリコンバレーで働いた経験があった。また、大半が米国の一流大学で博士号の教育を受けていた。効率的な製造に特化した。

 

→まさに成功の要因ですね。

 

・インテルは、人工知能時代のアーキテクチャの変化を見過ごした。

 

・中国は、2000年代と2010年代の大半において半導体の輸入に石油以上の資金を費やした。

 

・半導体の製造工程のほとんどのステップにおいて中国は外国井の技術に依存している。

 

半導体こそ21世紀の戦略物資。すべてのビジネスパーソンの必読書ですね。