私が尊敬し、大好きな
書道家・王鐸(おうたく)をご紹介します。
王鐸は中国・明時代の書家で、
王鐸の特徴である条幅(≒長い紙)に
一気呵成に行草体で書かれた作品は
現代書壇に多大な影響を及ぼしています。
※聞き慣れない専門用語が出てきますが
そうなんだぁと感じて頂ければ幸いです_(_^_)_
1.王鐸(おうたく)概略
1)明末の時代の書道家(1592~1652年)
2)30歳で官僚登用試験の進士に合格し、
明朝に仕え翰林院に入って順調に出世した。
3)学問では特に歴史に長けており、詩文書画ともに優れていた。
4)書は10歳前後から開始し、王羲之・王献之を
徹底的に学んだとされる。
5)日本では故村上三島大先生によって一気に王鐸の書風が
世に広まった。
2.書風
1)連綿
連綿とは字と字を繋げて書く技法を差します。
王鐸の連綿を駆使しながら書かれた
気負いを感じさせない作品は天才的だと思います。
下記は部分臨書です。
赤い箇所(字と字を繋ぐ線)
が連綿と呼ばれるものです。
2)作品
下記は王鐸の巻子(≒巻物)作品になります。
王鐸の躍動感ある変化に富んだ
書風を感じて頂ければと思います。
3)楷書も超一級品
王鐸というと、行草作品のイメージが強いですが、
実は楷書も超一級品です。
下記は王鐸の拓本(≒書を石に刻したものを紙に
写したもの)ですが、顔真卿(唐の時代の名書道家)を
研鑽した跡が伺えると思います。
3.臨書例(形臨)
下記は王鐸の条幅作品を臨書したものです。
縦横無尽に形が変化していく王鐸の書は
臨書していて非常に面白みがあります。
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王鐸の書風は
王羲之や随・唐時代の名書道家達の古典を
研鑽したうえで、生み出されたものだということに鑑みると、
やはり基礎が大切!だと考えさせられます。
ご参考下さい☆☆☆
書道家 鈴木曉昇