こんにちは IT契約のサポートをしている行政書士の高木です
あっ、という間に、1月も15日まで来ちゃいましたね...
さて、システム開発契約に関するトラブルの原因はイロイロあるのですが、本日は「基本契約書」に関して。
システム開発契約においては、いわゆる多段階契約で進めていることが多いと思います。
そして、その各段階の契約における「共通部分」を基本契約書で交わしておきましょう、と実務を行っていることも多いと思いますし、そのように説明しているところもあります。
だから、トラブルになるんです!
そのような基本契約(書)では意味がないから、トラブルになりますし、トラブルになりそうなときに契約(書)でちゃんと対応できないのです。
一般的に考えられている基本契約(書)というのは、例えば継続的に商品や原料を買います・仕入れます、という場合を想定したものです。
商品・原料の売買契約を繰り返す場合に、その度にいちいち契約(書)を交わしていたらそれこそ手間がかかります。
そこで、それぞれの売買契約の「共通部分(共通する内容・事項)」を基本契約で交わしておき、その時々の売買については、数量とか納期とか、そういったところだけ個別契約にすればいいでしょう、ということです。
ではシステム開発契約はどうか、というと、
一般的には、
要件定義、外部・内部設計 ・・・ 委任契約
↓
製造(プログラミング) ・・・ 請負契約
↓
単体テスト、結合テスト、システムテスト ・・・ 請負契約
↓
運用テスト ・・・ 委任契約
↓
システム移行 ・・・ 委任契約
という工程になっており、契約のしかたになっていると思います。
(もちろん、こんなにスムーズに進むか否かは別の話です。また、契約類型も、必ずしもこのようにキレイに分けられない場合もあります。)
上記のように、委任契約で行う工程と、請負契約で行う工程があるのですが、委任契約と請負契約では契約類型が異なり、契約当事者の権利・義務の内容も異なります。
つまり、「共通部分」はない、ということになります。
そもそも共通部分がないのに、共通部分を基本契約(書)として締結しましょう、ということにしているので、意味のない契約(書)が出来上がってしまうことになるのです。
システム開発契約について、単純に「基本契約書と個別契約書を作ればいい」と考えていると、意味のない契約書だけができてしまいまいます。
ここで「意味がない」というは、「開発実務の実体に合ってない」ということでもあります。
「開発実務の実体に合ってない」契約書というのは、つまり開発実務の現場における合意とは内容が異なっている契約書、ということです。
契約書があってもトラブルになっている、
計約書がトラブル解決に活用できていない、
というのは、基本契約(書)について誤った考え方・理解をして契約の締結、契約書の作成をしてしまっている可能性があります。
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