こんにちは IT契約のサポートをしている行政書士の高木です
先週、京都に紅葉を見に行きました。
平日なのに、どこもたくさんの人.人..人...
さて、前回も書きましたが...
データベースとは、
論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したもの
とされています。
そして、データベースの著作物とは、
データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するもの
今回は、情報の選択について「創作性なし」と判断した裁判例を見てみます。
自動車整備業者に対して、実在の自動車に関する情報を提供する目的で作成された「自動車整備業用システム」に関するものです。
このデータベースは‘実在の自動車’の情報を提供するものですが、「型式指定・類別区分番号一覧表」に掲載されている自動車が必ず実在するとは限らず、他の資料をもとに検証して‘実在の自動車’をこのデータベースに収録しました。
しかし、この‘実在の自動車’の選択については、「国内の自動車整備業者向けに製造販売される自動車のデータベースにおいて,通常されるべき選択であって、本件データベースに特有のものとは認められない」として、創作性があるとはいえないとしました。
上記の「他の資料をもとに検証」といったことも、「実在の自動車か否かの検証に一定の評価や判断が伴うことは、実在の自動車か否かを確認するための情報の収集過程において一定の知的作業を要するというにとどま」るもので、情報の選択の創作性とは関係がないという判断をしました。
次に、「タウンページデータベース(の職業分類体系)」に関するものです。
タウンページデータベースの職業分類に、‘個々の電話番号情報を当てはめる’ことに、情報の選択の創作性があるかどうか、という点が問題になりました。
この当てはめのために、「掲載者から取扱商品や事業内容についての情報を聴取」を行ったということですが、これは「掲載するかどうかを選択するものではない」とされました。
また、タウンページデータベースの職業分類は1800にわたって細かく分かれているとのことなのですが、個々の電話番号情報をいずれの職業分類に入れるかの選択の幅は小さいとされました。
「タウンページデータベースについて随時見直しを行っている」という主張についても、「そのことのみでタウンページデータベースが情報の選択又は体系的な構成により創作性を有するということができない」としています。
さらに、データベースの著作物としての創作性の根拠として「キーワードの設定やデータの表記に関する工夫」も主張しましたが、これについては「具体的に示す証拠は存在しない」として認められませんでした。
「他の資料をもとに検証」とったことや「掲載者からの聴取」といったことは、非常に労力等がかかるものではありますが、情報の選択の創作性とは関係がないとされています。
また、「通常されるべき選択」や「選択の幅は小さい」という判断も、創作性の判断でよく出てくるものです。
裁判では、当事者に立証責任があり、「立証できたことが全て」と言っても過言ではないでしょう。
「具体的に示す証拠は存在しない」という言葉も、非常に重要です。
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