ご来読、有り難うございます。日本橋行政書士あおき法務事務所、婚姻カウンセラーでたぶん所長の青木です。
昨日は、離婚の若年層と熟年層の感覚の違いについて書きましたが、本日は忘れぬうちに結婚のお話をば
熟年離婚がメジャーな言葉になり、熟年世代は離婚するのみのベクトルしかないのかと言うと、そうでもありません
60代、たまには70代で結婚をするとのご相談を受けます
中には恋に落ちたというオーソドックスな場合もありますが、多くは長年付き合っていたとか長年同棲していたパターン
若い世代とは違って、いつでも籍は入れれるとか、別のパートナーが現れるかもしれないなんていう時期はとうに過ぎてます
それなら何故と思うかもしれませんが、納得の理由があります
それまで別のお財布での同居人のような状態から、籍を入れると変わる事があるのはピンとくるでしょう
はい、相続が絡みますね
身内もいない方なら、財産は国庫へという事になります
特別縁故者や内縁の妻という相続財産の帰属はありますが、とてつもない労力を要するので遺言書で遺贈した方がスムーズです
兄弟が無くなっていても、その子がいれば何十年も会っていない疎遠な兄弟姉妹の子へ財産がいってしまいます
なので、自分に子供がいない、お互いの子供がいない場合に他の人が相続人になると困る場合に、熟年結婚というケースになります
しかし、それは本当の理由では無く、二次的な理由です
本当の理由で多いのは、制度的なものですが、入院した時の面会は家族でないとできない、入院関係のサインは家族でないとできない、保証人は家族でないとなれない、これ多いです
結婚していないと制度上は他人なので、セキュリティー重視の時代には、部屋番号も教えてくれません
なりすましで他人と接触させて事件にでもなったら大変ですし、、、
もしもの時の連絡先にもなれません
集中治療室に入ってしまったら他人は入れて貰えません
愛する人の傍にいれなくなってしまいます
病院でのお世話ができなくなってしまいます
最後の瞬間にも、一緒にいれなくなってしまいます
死亡保険金も残せないケースもあります
法律上は他人です
切実です
こういう場面に出くわして、早めに籍を入れておこうという熟年ならではの愛の形があるのです
若い世代の結婚も、もちろん永遠の愛を誓って入籍するのですが、バラ色の結婚生活を夢見てますとか、言い方は悪いかもしれませんがお花畑空想に近い物が無い訳ではないww
対して、熟年の結婚は残り少ない人生の時間を認識している上での入籍、いつ死ぬかも解らない認識での入籍という意味では、100%の純愛のような気がします
人生の最後の瞬間を意識した入籍
長年生活をしていて、事実上の夫婦だったのが法律上の夫婦へ
財産や肩書が目的では無いし、若い娘大好きな色ボケでもなく、お互いをよーく知ってるカップルの入籍がそのタイミング
ご当人は気恥ずかしそうにご相談されますが、とても素敵だと思います
心を打たれます
僕も一応「死ぬ瞬間は手握って顔見ながら死にたいから、ちゃんと手握ってよ」とか「僕が虫の息でどうにか目を開けれる状態の時は、最後に顔を見たいから、ちゃんと顔見せてね」って、奥さんには言ってあります
奥さんと同じくらい大好きな小娘には、そんな事は言ってませんよww
では、また