男は妻を殺す計画を立てて行動に移す。

 

瞬間移動という自身の超能力を使って鉄壁のアリバイを作り、

殺害の罪は妻の愛人に被せられるはずだった。

 

だが瞬間移動で忍び込んだ家には想定外の人物がいて、

見つかりそうになった危機から慌てて元の場所へと戻る。

 

計画は未遂に終わったかと思いきや、

妻からの連絡により家で何者かの死体が発見されたことを知る。

 

殺害されたと思しき死体は見ず知らずの誰かで、

どうして家にいたのかも定かではなく、誰に殺されたのかも分からない。

 

一体、何が起こったのか?

 

被害者はどこの誰で、何故家にいたのか、誰に殺されたのか。

加害者は妻なのか、その愛人なのか、それとも全く別の誰かなのか。

 

制限の厳しい瞬間移動を利用して事件の謎を解くことになった男は……

 

っていう、瞬間移動という裏技的な能力で殺人事件の謎を解き明かす話。

 

冒頭から何度も言及されている通り、ミステリで瞬間移動って反則じゃないのか、

犯人側からしたら何でもありじゃないか。

 

そこから始まるも瞬間移動の様々な制限が足枷となるというのは単純に面白かった。

 

瞬間移動する為には酒の力が必要だけど下戸なのでつらい、

瞬間移動では何も持っていくことは出来ず衣服すら置き去りでフルチンになってしまう、

移動先に酒がなければ再び瞬間移動することは出来ずフルチンで途方に暮れてしまう等々。

 

瞬間移動という単純明快な能力にあれやこれやの仕様や造語が設定されており、

それらの説明を読んでいるだけでも楽しめた。

 

で、物語の始まりは瞬間移動を持つ男が犯人役として行動するのに、

謎の死体が発見されたことで探偵役になるという王道めいたミステリ展開。

 

主人公が今一つ蚊帳の外で今一つ緊迫感に欠けるかと思いきや、

様々な場面で瞬間移動という超能力が関わっていて、という収束も良かった。

 

にしても、このタイトルは駄洒落なんだろうか。