インターネット上でのコミュニケーション・ツールとして話題になっているゲーム、
その宣伝を依頼されたフリーライターの主人公はゲームを始めるも、
目覚めた家の中では何者かが刺殺されていた。
訳の分からぬままにゲームを続けながら、ペルセポネという惑星での暮らし、
個性溢れるアバターたちとのコミュニケーションを経て、
ここが何でもありの世界であることを知る。
全てはインターネット上の、仮想世界での出来事に過ぎない。
強盗や殺人が起ころうと大きな被害が出るわけでもなく、
殺されてしまっても ID が消失するだけで再発行すれば新たなユーザーとしてプレイできる。
だが、そんな世界で起こった殺人が現実とリンクすることで事態は様相を呈していく。
現実世界での殺人事件を解決することは出来ないが、
ゲーム内での殺人事件であれば犯人を見つけ出せるかもしれない。
主人公はゲーム内で出会った女性と共に犯人捜しを始めるが、
何もかもが嘘である可能性を否定できない仮想世界での捜査は混迷していく。
一体、誰が嘘をついているのか?
共に行動する女性にさえ裏の顔が見え隠れし、何一つ真実が得られない。
そんな中で、実は主人公すら隠れた目的を持っており……
っていう、仮想世界と現実世界の両方で起こった殺人事件の謎を追う話。
仮想世界の描写が細かで、どんな操作をすればどんな反応が起こるのか、
事ある毎に丁寧に描かれていて世界観が分かりやすい。
たぶん発売当時はネットゲームを想定したものだったんだろうけど、
今だとVRでのチャットルームがすんなりと思い浮かんだ。
で、仮想世界で起こった殺人事件が現実世界でも起こっているという流れから、
あー、これはあれだ、登場人物の把握が大変なやつだ、という認識は正しかった。
仮想世界と現実世界の人物が一対一じゃないことが冒頭で示されている分、
誰が誰なのかを予測するのは極めて困難で早々に諦めてしまった。
なかなか進まない捜査が中盤以降でやや過剰な説明口調と共に開陳されるも、
終盤からはあれやこれやの仕掛けや伏線を活かしての種明かし、
探偵役がさてと皆を前にしての披露はなかなか小気味良かった。
ただ、いかんせん登場人物が仮想世界と重複しているので相関が複雑になっていたり、
冒頭の密室トリックの謎なんかも仕掛けが過剰過ぎて判然としないものがあった。
ネットゲームで遊んだことがあれば共感という部分で楽しさが増すかも。