世界をさまよう蜥蜴のビルが次に辿り着いたのは、
ピーター・パンや海賊の暮らすネバーランドだった。
ウェンディや養子の子供たちと共にネバーランドを訪れたビルは、
着いて早々にティンカー・ベルの死体を発見する。
かつてピーター・パンやウェンディと冒険をした妖精のティンカー・ベルは、
ピーター・パンたちのねぐらで刺殺されていた。
犯人は誰なのか?
殺すことにためらいを持たず、子供だろうと衝動的に殺す、
ウェンディを含めた誰もがピーター・パンに疑いを持つ。
だが、ピーター・パンは殺した人物のことを忘れてしまう。
ティンカー・ベルのことすらあやふやなピーター・パンは、
ウェンディに諭されて探偵となり事件の調査を始める。
一方、地球では蜥蜴のビルのアーヴァタール、
井森が同窓会にて雪深い地を訪れていた。
彼はネバーランドで起こっていることを夢で見つつ、
同窓生の中からアーヴァタールを探して事件の謎を探り始める。
二つの世界で起こる殺人事件、そして犯人の狙いとは……
っていう、シリーズの四作目。
まず惹きつけられたのが、
ティンカー・ベルの殺害される様子が細かに描写されていること。
そこから犯人はピーター・パンだろうと思うものの、
登場人物の多くが同じように考えているのが皮肉っぽくて面白い。
当のピーター・パンは殺しを当たり前のことと考えているので、
犯人が誰だろうと、自分であっても構わないというスタンスで調査を進めつつ、
癪にさわったり邪魔だったりしたら殺してしまう。
そんなピーター・パンが犯人じゃないという可能性はあるのか? と思わされるも、
目撃者の証言からピーター・パンにアリバイが出来てしまう展開には笑ってしまった。
今までのシリーズに比べるとメタ的描写は少なく、
犯罪や目的も明確で全体的に分かりやすい、読み易い一冊だった。
トリック? はわざとらしいくらいにあざといものだけど、
個人的には四作の中では一番楽しめた。