音大に通う五人の学生は、それぞれにスランプを抱えていた。

 

才能のあるヴァイオリン弾きの男はプレッシャーに弱く、

ソプラノ歌手を目指す女はその道に不安を覚えており、

ヴァイオリンを諦めてヴィオラに転向した女には迷いがあり、

ピアノを弾く彼女は指の痙攣に悩まされており、

作曲を行う主人公は新たな発想を得られずに苦しんでいた。

 

そんな折、気分転換を兼ねて無人島への旅行が計画される。

 

音楽のご利益が得られるという無人島だったが、

実は島は禁足地であり、巫女たちが祭の準備をしていた。

 

祭を成功させるには手足笛と呼ばれるものが必要であり、

祭を成功させなければ島の虫が暴れ出してしまう。

 

カメムシ、カマキリ、ムカデ……五人は次々と虫に襲われながら、

島の伝説と祭に触れていく。

 

そして虫の暴走が手足笛の盗難によるものと分かり、

犯人探しと手足笛の奪還が始まり……

 

っていう、虫に襲われるパニックものかと思いきや、

島の伝説と手足笛とは何ぞやを解き明かすミステリっぽい話。

 

虫に襲われる描写にはやや嫌悪感もあったけど、

全体的にはエンタメ的で、青春小説めいた爽快感が多い。

 

音楽で虫を鎮めるという流れから五人の学生が挫折し、活躍し、

壁を乗り越えていくっていうのも面白かった。