人の生命力を吸う人間ではない存在、

彼らと共存する綺麗な魂を持つ人間は不可解な事件と直面する。

 

その謎を彼らが鮮やかに解き明かすっていう七編で構成された連作短編集。

 

白衣の意匠

大学の研究室で殺された人物は、何故か別の人の白衣を着ていた。

そこに隠された理由とは……

 

陰樹の森で

キャンプ地にて婚約している二人が死んだ。

一人は首を吊り、一人は胸をナイフで刺していた。

 

自殺と後追い自殺かと思われたが……

 

酬い

電車内で常習的に痴漢をしていた男が死んだ。

 

男は満員電車内で痴漢を働き、その手を掴まれて引っ張り出されたところ、

胸に包丁が突き刺さっていた。

 

誰が男を殺したのか……

 

大地を歩む

マイルを貯める為にクレジットカードを愛用している男が殺された。

そして男の側には五十万円もの札の入った財布が落ちていた。

 

現金を持たない主義の男に何が起きたのか……

 

お嬢さんをください事件

結婚を間近に控えているはずの二人だったが、

サービスエリアでの休憩中に男が消えた。

 

男に起こったこととは……

 

子豚を連れて

子豚を連れて旅行する女は、夫との不和から家出中だと告げる。

だが女の言葉には不可解な個所があり、そこから導き出されるものとは……

 

温かな手

人間ではない彼らと、共生する魂の綺麗な人間二人。

四人は老人ホームを訪れ、そして一人が入居者である老人の生命を吸った。

 

誰にも知られない殺人を犯した理由、そして彼らが消えた理由とは……

 

っていう、人間ではない存在が不可解な謎を鮮やかに解き明かすって話。

 

基本的には安楽椅子探偵みたいに現場の情報から真相を解き明かす、

彼らは人間ではないので目の付け方が違うっていう感じ。

 

ただまあ、その設定はほとんど関係がないくらいに論理の積み重ね。

 

実際、彼らが謎を解き明かす時に特別な力を行使するわけでもなし、

精々がパニックに陥った人のエネルギーを吸い取って落ち着かせるくらい。

 

淡々と解き明かされる真相を楽しむって感じですんなり読めたものの、

今一つ盛り上がりには欠けるかなーという印象だった。

 

読み易いし最初の一冊には適しているかも。