大手の美容会社で身体の3Dスキャンデータが盗まれた。
顧客の多くが若い女性であり、
データを悪用すれば3Dプリンタで立体的な出力も可能となる。
けれど盗まれたデータで引き起こされたのは、美の破壊だった。
もっとも美しい手、もっとも美しい足と、パーツによりデータの中の誰かが選ばれ、
選ばれた女性はその部位に赤いペンキをかけられる。
被害としては些細なものだったが、
盗まれたデータの中にはミリアとユリの友人、仁美のものもあった。
巻き込まれ型の仁美ももっとも美しい何かとして襲われるのでは?
しかし、お気楽な調子は一つの殺人事件の発生によって崩される。
盗まれたデータの中から選ばれた一人が左手を切断された死体として発見された。
死体は絞殺、且つ全身に殴られた痕があった。
殺人事件の発生によりデータを盗まれた会社が一つの罠を仕掛ける。
それはもっとも美しい顔と噂される社長の娘を囮に、
パーツキラーと呼ばれる犯人を誘い出すものだった。
とある孤島の鏡の城、そこに石崎とミリア、ユリ、仁美、そして斉藤刑事が集まる。
そこで新たな事件が発生し……
っていう、いつもの孤島を舞台にしたミステリィな話。
相変わらず会話ばかりの軽い調子で小ネタを挟みながら進むけど、
今回は仁美に関したネタが多くて割かし面白かった。
巻き込まれ型の仁美ならきっと襲われる、
いや、しかし今回の被害者はもっとも美しい何かを持っていなければならない。
果たして仁美は襲われるのか? ってな具合。
大きな謎としては鏡の城の密室とパーツキラーの正体だけど、
少なくとも後者にあたる犯人は勘で分かる。
ミステリィで勘で分かってもしょうがないけど、怪しい人物がほぼ一人だし。
で、鏡の城の密室は……どんだけでかい城なんだと思わなくもない。
七つの部屋のその先にある部屋って。
確か三、四メートルの個室だったので、二十五メートル前後?
しかも七つの部屋はただの箱で何にもないって、
石崎も言及してたけど、なんなんだよこれは、ってな感じ。
とはいえ結構面白かったし、ラスト付近の石崎の言葉はキャラクターの深みになりそうだし、
続きを読みたいと思えるものだった。
なのに続編の情報はないみたい、残念。