一章

食べて肥え太ることで美しくなる。

 

少女は両親に反発して家を飛び出し、

とてつもなく美味しそうな脂の匂いに導かれて黒ずくめの彼と出会う。

 

彼は【脂を絞る男】と呼ばれており、せかいいちおいしいあぶらの話を聞く。

 

少女はせかいいちおいしいあぶらを求めて森に入り、

次々と現れる美味しそうな脂を殺し、食べる。

 

鹿、熊と、少女は食欲を満たすも、せかいいちおいしいあぶらの匂いは続く。

 

やがて再会した【脂を絞る男】、せかいいちおいしいあぶらの匂いは彼から漏れていた。

魔界探偵冥王星Оを敵視する、その男から……

 

二章

彼女は目覚めると全裸だった。

 

何度も続く意識のない行動に、彼女は自身の夢遊病を疑うも、

真相は夢のようなものだった。

 

ある日、頭の中から声が響く。

 

どこかの誰かに入っている【正常なる男】を見つけることが目的であり、

君の汗が【正常なる男】の弱点である。

 

私の名は冥王星О。

 

彼女は頭の中に住む冥王星Оの言葉に反発しながらも、

自身が解放される為に【正常なる男】を追い始める。

 

やがて【正常なる男】は彼女の意中の相手の中にいることを知り、対決が始まる……

 

三章

週に一度のデートの相手は冥王星О。

 

彼は会う度に年恰好も違い、まるで別人だったが、

彼女は会えばそれが冥王星Оであることが分かった。

 

それっておかしくない?

 

友人に指摘されるも、やはりデートの度に冥王星Оは姿を変えた。

 

一方で、らくがお殺人事件は続いていた。

増える被害者、そして被害者の顔には何らかの落書きが残されていた。

 

連続殺人には共通点がある?

 

そして被害者の顔を知ることになり、事件は謎を深めていく。

被害者は過去のデートの相手、冥王星Оと同じ顔をしていた。

 

彼女と事件は密接な関係を見せ始めるが……

 

四章

【あなた】であり【越前魔太郎】には運命の予知という特殊な能力があり、

その能力を見込まれて冥王星Оの追跡が命じられる。

 

【あなた】は対象を絞り、全ての冥王星Оの運命を出力する。

 

せかいいちおいしいあぶらを求める少女と冥王星О、

【正常なる男】と対決する冥王星О、

らくがお事件に関係する冥王星О……

 

その他にも、【越前魔太郎】の予知する運命の中には様々な冥王星Оが存在した。

 

次々と語られる冥王星Оの話、その果てには決着が待っている。

【越前魔太郎】と冥王星Оの対決、その結末は……

 

ってな感じに短編……というか、舞城王太郎の九十九十九を下敷きにしたような、

メタ的な構成の一冊。

 

文体も思い切り舞城王太郎に寄せているので好みは分かれるかも。

 

九十九十九やらディスコ探偵水曜日やら好き好き大好き超愛してる。やら、

片っ端からメタ化して取り込んでいるので面白いのは面白いけど、

舞城王太郎がやり切った後なので二番煎じ感が強かった。

 

特に全体的な収束というか、無理やりにでも話を一つにまとめ上げて、

独特のハッピーエンドに至るって展開がなかったのはちょいと残念。

 

魔界探偵シリーズは舞城王太郎のデッドドールのダブルDしか読んでないけど、

軽めの舞城版って感じだったかな。

 

VとHは冒頭で投げ出してしまったので、もう一回読んでみるか。