六編で構成された連作短編集。

 

あした絵

引きこもって誰にも心を開こうとしない女の子、

同じく引きこもり経験のある青年は女の子の世話を頼まれた。

 

一緒の部屋にいるのに無視されているかのような苦痛の時間、

息詰まりすら感じながら、青年は女の子が画用紙に描く絵に注目する。

 

小さな女の子が描く絵は、明日の惨劇を描いていた……

 

鬼の声

児童相談所に勤める女は、市民からの通報で一人の少年を訪ねていた。

 

少年は部屋にこもり、時折り悲鳴のような声を上げている。

共に住む父親からの虐待があるのではないか?

 

しかし調査を進めるうち、少年が何かの声を聴いていることを知り……

 

空気剃刀

人を傷付けてしまう男の子が公園で寝起きして生活している。

 

都市伝説のような話を取材目的で訪れた男は、

公園の木々の陰に小さな影を発見する。

 

男は暇さえできれば公園を訪れ、菓子パンを差し入れて、

男の子に何が起こったのかを聞こうとする……

 

虫あそび

虐められている男の子は、虐めている相手が極度の虫嫌いであることを知り、

ニュースにもなっている異常に虫が寄り集まっている家を訪ねた。

 

虫を集めて、復讐する為に。

 

けれど数千、数万の虫が集う家に住む女の子と知り合いになり……

 

魔王の手

ガソリンスタンドで爆発が起こり、二人が負傷した。

しかし現場の近くにいた運転手より、やや離れた所にいた少年の方が重傷だった。

 

しかも少年には、まるでカミナリが体を貫いたような傷があり……

 

聖なる子

人の傷を癒すことができる。

少女を含む、超能力を持つ彼ら彼女らは孤立していた。

 

そこで彼らを取材した男は合宿を企画するが……

 

っていう、超能力をテーマにしたお話。

 

一編一編が軽めで、内容的にも超能力者の紹介文みたいな感じ、

尚且つ引っ繰り返すような展開もないのですんなりと終わる。

 

最後の話も総集編みたいに超能力者の振り返りで内容が割かれ、

しらーっと終わってしまった感じ。

 

起伏は乏しいものの全体的には良い話というか、

穏やかに終わるものばかりだったけど、ちょいと物足りなかったかな。

 

個人的なベストは空気剃刀。

ベタだけど、最後の一文はぐっと来るものがあった。