無人偵察機を操り事件を解決するドローン探偵は、ある刑事に憧れていた。
自身も刑事となることを望むが、成長不全により身長は 130センチ、体重は 30キロと、
大人になっても刑事の選考基準にすら満たない体格だった。
刑事を諦めた主人公は自分だけの武器、ドローンを使って探偵として活躍する。
大型のドローンは 30キロを携行して飛行ができる。
主人公はドローンに掴まり空を飛ぶことができた。
けれど先の事件にて両足を骨折、そこに大学の探検部の活動が重なる。
探検部の面々は各々が次の活動に意趣を持っていた。
ヴァルハラ、ラグナロク、ヨルムンガンド、オーディン……。
神話をモチーフにされた館への探検旅行、そこに七人が集まる。
六人は大学生の面々、もう一人は両足を骨折したドローン探偵。
ドローン探偵は車にて待機しながらドローンを操作して館への探検を可能にした。
そして探検が開始され、不可解な殺人が起こる。
探検部の一人が刺殺された状態で発見、しかし一時現場を離れて戻れば、
そこには死体がなかった。
死体は館と併設されているシェルターの前にあったはずだが、
その死体は消え、開いていたはずのシェルターの扉が閉められていた。
一方でドローン越しに映像を得ていた主人公も死体を発見していた。
犯人はシェルターの中に潜んでいるのではとドローンを操作するが、
不意に扉が閉じられたせいで電波が届かず、ドローンの操作が不可能になる。
だが最後に映った絵から、犯人はシェルターの外から扉を閉めたのが確認できた。
しかし集まった面々がシェルターの扉を開こうとしても、その扉はびくともしない。
外からは施錠が出来ない、内部に誰かがいるとしか思えない。
ここで現場の面々とドローン探偵にすれ違いが起こる。
現場の面々は、今、ここにいないドローン探偵が犯人なのではないかと疑う。
ドローン探偵は、どうにかして犯人が近く、恐らく面々の誰かであることを伝えようとする。
内と外に分かれた状態で、尚も死者が増えていくこととなり……。
という、ドローンをテーマにしたミステリ。
探偵役は秀でた推理能力もなく、ただドローンという特性で捜査を進めるけど、
肝心の登場人物の大半が犯人はドローン探偵だと思って行動するのが面白い。
本来なら広い視野を持って手助けに回るドローンが、
犯人扱いの上に監視する側として認識されて各々がドローンを恐れて館に引きこもり、
クローズドサークル状態が生まれるっていう。
んで、あからさまに怪しい、伏線と思われる個所が冒頭で記される。
それは、とある人物が左利きであるということ。
あー、これ絶対伏線だわー、今後に影響するわーって注意深く読んでたけど、
その伏線を活かした犯人の示唆も気付かなかったんだけど、
そんなことどうでもよくなるくらいの展開に思わず笑った。
そんなの分かるか! って。
早坂吝の本はこれ以外読んでたので絶対に分からないだろうなと開き直ってたけど、
こんなのありかよ、と笑っちゃうくらいに衝撃の結末だった。
まあ、この作者の面白いところは、そんな衝撃の展開を明かしてから、
尚も平然と推理パートが続くってとこなんだけど。
今作も衝撃の展開で笑っちゃってから淡々と推理が続いて尚も笑った。
今後も麻耶雄嵩とは別方向に突っ走ってほしいなー。