中古だと 9000円くらいするので半ば諦めていたけど、
電子書籍だと 700円くらいで買えることに気付いて即購入。
他愛無い恋人同士の会話、彼女は全てを覚えていると言ったが、
主人公は心中でそれを否定する。
全ては失われていくのだ。
大阪の小さな会社で働く主人公はある日、些細なニュースに目を留める。
酔った老人が事故死したという、ただそれだけのニュースだったが、
老人の名前には見覚えがあった。
その名前の人物は数十年前に死んでいるはず……。
同姓同名? それとも事故死した老人は戸籍を誤魔化しており、
過去に死んだ人物の名前を使っていたのか?
限られた手掛かりから老人の素性を追い始める主人公だったが、
手掛かりは次々に変貌して次第に現実と物語とが混じり合っていく。
闇金融、過去に読んだ物語、チョコレート・ケーキ、かみのけ座、
永久機関、コイル、作者不明の小説、殺人事件……。
初対面であるはずの二人が主人公を前にして言う。
あなたは失ってしまったのよ、どうにかして回収しなければ、無理よ、
複雑な入れ子構造の中に……。
ってな具合に死者の素性を追って闇金融の暗部へと切り込んでいったかと思えば
物語の繰り返しをほのめかしつつ他の物語が挿入されて入れ子構造が示されて
主人公は物語の外、あるいは終わりに落ちていくという……?
読み終えてすぐまた最初から読み直したけど、
これは電子書籍じゃなくて紙媒体で読み返したいな……。
電子書籍だと紙媒体の本みたいに手触りで読みたいとこを開くってのが慣れなくて、
ついつい最初っから読み直してしまった。