金曜日は仕事帰りに
オン・ザ・ロック
を観に行った。

 

 

 

 

しょっぱなから、好きな曲がかかって
ちょっとテンションあがっちゃったわ。。

 

いやぁ~、やっぱビル・マーレイはいいなぁ~。

しかし、これってアレかな。
娘婿の不倫をさぐるにかこつけて、とーちゃん
娘と一緒に過ごしたかったっていう話なのかしら?

というか、娘に自分の傷心をわかって貰いたかったのかな。

ちょいワル風で破天荒だけどチャーミング、人たらしな男性という
ビル・マーレイが演じるにぴったりなお父さん。

娘はそんな父親にあきれて距離を置きつつ付き合っていたけど
父親にひきずられて、一緒に旦那の浮気現場を押さえるために
行動していくうちにちょっとずつ父親にうちとけていく。

娘のそんな変化を肌でを感じたのか、父親はつい
最近長いこと一緒にいたパートナー(婚外の)が
亡くなったことを告げてしまいます。

あ、これは娘にパートナーを失った喪失感を共有してもらって、
慰めてほしいというか理解してほしかったのかしらと思った。

最大の理解者である大切なパートナーの穴を埋めるのは
大好きなかわいい娘の他にいなかったんだろうな。

最初やけに娘婿の不倫(結局違う)を娘にたきつけるなぁと思ったんだよね。
ふだんそっけない娘も、自分の旦那のことなら、つい気になって

(自分と一緒に)行動する、一緒の時間を過ごせるって、

気づいてたんだろうなぁ。

で、ぽっかり空いた部分というか悲しみを
自分の分身みたいにかわいい娘ならわかってくれると
期待してしまったんだろう。

でもね、そうはいかない。

だって、母親と娘は、ずっとそのこと(父の不倫)で悩んできたんだもん。

父親はいいます。

お母さんが僕のことをみなくなったからだと。
でも、パートナーは違ったんだと。


次の日(土曜)にみた
「シラノドベルジュラックに会いたい」
の中でもそんな場面がありました。

主人公のエドモンが衣装係のジャンヌと
甘い言葉をつづった手紙のやりとりに夢中になるのだけど、
その大量の手紙が奥さんに見つかってしまいます。

エドモンは奥さんに言います。
「君はかつて僕の崇拝者だったけど今は違う。
 けど、彼女はそんな僕を崇拝してくれるんだ!」
って。 ったく、どいつもこいつも。

結婚して、子供が産まれれば、
多くの女性は夫だけを構うのは難しくなるよね。

構えないけど、それは決して夫以外の男にうつつを

抜かしてるからって訳でもないのに。

でも、上記みたいなことをいって不倫する男性はほんと多い。
じゃ、オマイは自分ばっかり構って、子育てが疎かになる
ような女がいいんかいって反対にききたいよね。
ま、ほとんどは言い訳なのかな。

でも、まぁ夫は不倫してしまう自分の寂しさを

奥さんにわかって欲しいと期待するし、
妻は、夫も子供も完璧に包み込めるような女神には

なれないことを夫にわかってほしいと思う。
 

 

仮に
もし、夫の不倫で別れたとして、時がたち、
元夫の次のパートナーが亡くなり、
元夫が気落ちしていたら、過去を許して
寂しさを理解してあげられるのは、
娘でなく、元奥さんかもしれないな。
(家庭内別居で婚姻が続いてたらわからない)

不倫した元夫なんて、いつかどーでもよくなってしまう日がくる。
毎日顔つき合わせてたら、色々思い出しもするだろうが、
会わなければ、案外忘れっちゃったりする。
自分が新しく相手を見つけたらなおさら。
許せるっていうか、正直ホントどうでもいい感じ?
所詮もと他人だしね。

でもまぁ、一時であれ、
お互いが一番の理解者と思えた時もある相手だから
気落ちしてれば、残念だったねって、言うことはできると思う。

でも、親子ってそうでないよね。
いつまでも、いくつになっても、親にはなぜか
尊敬できる人であって欲しいってどこかで思っている。

そして、されたことをいつまでも覚えている。
子供として守ってもらえるはずだったのに、
そうでなかったことへの恨みは大きい。
本当は好きでいたいのに、そうさせてくれないことに怒っている。
そして、いつかそれを悔いて、自分に向き合って欲しいと
どこかで思っている気がする。
血がつながっているからなのかな。

そんなだから、やっぱり娘は父親を許さなかったというか
父親の喪失感を理解することを拒んだし、

自分が利用されたのに気付いて

ちょっと腹立たしかったんだと思う。

 

っていうか、どっちかっていうと
一番言っちゃいけない相手だったよね。
心を許してもらうチャンスをまた逃すというか。

でも、近しい人、大好きな人になるにつけ

わかってくれるはず。

って当たり前のように期待するのは何故なんだろうね。
距離のある人には、決して期待しないのに。

わかってくれるはず。

っていう気持ちが、むしろ人を寂しくさせているのかな。

 

でも、劇中たびたび、口笛を何気にそろって吹く二人は
無意識に、わかって欲しいと思いあう、
それは紛れもなく親子だからなのかもしれない。

なんかよくわからないけど、
上手くいかない親子が愛おしくなる映画だったかな。

 

 

しかし、手練れのプレイボーイが娘にはすげなくされて
寂しそうな様子がなんともかわいく愛おしく感じるのは
やっぱりそれがビル・マーレイだからなのかしら。