「Ba Ba…Ba BaBaBang Bang」(ブラックスリーの銃声)
俺はブラックスリー、正式名称じゃないな生姜の使い魔で武器的な属性は銃だ
金欠の俺にはアドゾンビがないと生きていけねぇ。
そもそも何で俺が金欠なのかは アドゾンビ01 を読んでくれ↓↓
銃や刀系統の使い魔だったら、ゾンビ一体倒すごとに0.01キャロットペイもらえるがそれをもらわねぇと生活が破綻しちまう状態だ。
0.01キャロットペイは人間の通貨の1円ってところだろうが
爆弾系統やそもそも武器要素ない使い魔じゃゾンビ殺してもそんな換金制度はない
理由は銃や刀系統ならゲーム内であえて武器の選択が要らないからな。
自分自身が銃や刀だから、使用料がかからないんだろう。その分が換金されるのかもな。
まぁ、それをズルだって言ってる奴もいるが俺はそれを頼りざるを得ない。
今さっき終電も行ってしまった静まり返った街を背景に、アドゾンビのARが加わって荒廃した都市と化し…そこに表れるゾンビを走って…撃って走り回って、撃って走って倒していく
アドゾンビで帰りのタクシー代を稼いで帰って何とか明日朝7時からの仕事に向かうつもりだ
ブラックスリー「死ねー!!」
アドゾンビ中に俺自身の銃声音がゲーム内で
Bang Bang (バンバン)と鳴るが
正直…マジで声を出さずに叫んでいるのかもしれない
俺自身銃系統の使い魔だから(ゲーム内の)発砲音なのかそれとも俺自身が叫んでいたとしてもどっちにせよ”銃声”だな
ブラックスリー(心の声)「…はぁはぁ何とかここまで…2054体で20.54キャロットペイかぁまだだいぶ足りないけど…やばいもう疲れて」
桜さん「すみません、お兄さんちょっといいですか?」
ブラックスリー「はっ!わっやべぇ時間がもう深夜の1時ダメだまだ全然金が足りねぇ」
桜さん「ちょっと深夜遅いし騒がしいので声抑えて、ご近所さんから苦情が来てたわ、身分証見せてもらってもいいですか」
ブラックスリー「ん?何だ、…アンタもアドゾンビをやってるのか?悪いがアンタの…獲物も俺のもんだ」
この女は…女性警察官か?、さくらんぼか桜の使い魔でどうやら俺と同じ銃系統っぽいなぁ、アドゾンビのAR出したまんまだったのと暗かったのもあってよく見えていなかった。あとちょっと疲れも
桜さん「??酔ってるのかな?家まで帰れます?」
ブラックスリー「えっあぁ大丈夫だ、帰るためにアドゾンビで金作って…タクシー乗って帰る気だった」
桜さん「お兄さんそれ本気?もしかして帰るお金ないの?帰る分だけだったら署まで来てくれたら貸すわ」
ブラックスリー「署!?そんな逮捕とか困る確かに…ARゲームではゾンビ殺し回ってるけど現実じゃない」
桜さん「逮捕なんてしないわ、あなた困ってるじゃない困ってる人助けるのも警察官の仕事だから」
ブラックスリー「いや俺は大丈夫だから、近所だありがとな」
桜さん「!近所じゃないでしょ、身分証見せてもらったけど、この住所あなた家までここから20kmくらいあるけど?」
ブラックスリー「あぁ…まぁその…普段歩いて10km20km移動してるから大丈夫だ」
桜さん「本当に?、大丈夫?くれぐれも叫ぶのはやめてね。あんまり騒がれたら軽犯罪で現行犯逮捕しちゃうから気をつけて」
ブラックスリー「はーいおやすみー」
桜さん「PM桜 職質終、“対応”不要」(無線音)
職質されちまった。声量とかに気をつけねぇと、何とかタクシー代を確保するためにって熱くなっちまって騒いていたんだろう。
とはいえ、歩いて帰るのと…アドゾンビでタクシー代稼ぎ切るのとどっちが早いだろうか?
歩いて帰ったら今深夜1時だから、おそらく着くのは5か6時だ。
走れたら3時くらいでワンチャン仮眠できなくもねぇけどそんな体力はもう俺にはない、
今から無難に歩いて帰っても7時から仕事だから即仕事道具持って職場にいくことになる…
もしくはアドゾンビでタクシー代を確保して帰るか…これも確保できたとしてもできても1時間2時間の仮眠だ
まともに考えたらどっちを選ぶ方がいいかは分かる、歩いて帰る方がマシだ、
なんならもっといい選択肢はさっきの警官の使い魔の女に「やっぱごめん貸してください!」 って頼むのもできる
いやもっともっと遡ったらシズナの奴、俺に
10キャロットペイをタダでくれるとも言っていた。
シズナだったら貸すじゃなくてだ!飛んだお人よしだ
10キャロットペイそれだけあったら終電逃さずに帰れてたかもしれないし、何なら電車で帰ってもドリンク一本買えるくらいのお釣りが来た。
確かに俺は…開発者に名前すらつけられなかった使い魔、でもってそいつの借金25万キャロットペイ…だいたい2000万円くらい背負う羽目になって非正規雇用、毎月大半支払いそれに消えている
お世辞でも幸せな状態じゃないだろう
が…俺自身がここ数時間振り返って不幸になる選択をしてしまっているんじゃないだろうか?
…いやそんなことはない絶対ない ありえねぇ!
あんま考えたらダメだ、俺みたいな存在自体がジャンク品がはそんなこと考えて何になる、
ジャンク品は所詮ジャンク、粗悪品だ、だからあいつ(開発者)は俺に名前をつけなかったんだろう。ゴミに名前なんかつけて何になるんだ…ハハハ 現に今非正規での軽作業とゾンビ撃つしか能がない。
自分でそう思っていて、涙目になっていた。人間でいう病院…使い魔のメンテナンス場行った方がいいのか?…それ行くならアドゾンビで稼がねぇと、その前に
60ラットコインを稼いでタクシーに乗って家に戻れるだろう、で一瞬仮眠して出勤だ
今は20.34だから、残り40 いや39.66キャロットペイ
だから今から午前3時半までに3966体のゾンビ倒そう。で換金…
気をつけろ大きなこえだすなよ
ブラックスリー「死ねぇ!!ゾンビども(小声)」
精一杯の小声で心で叫びながら、とにかく撃って撃って撃ちまくりかったがもっと撃たないといけねぇのにゾンビは思いの外に少ない、
燃えている場所や倒壊して見える場所はがやたら多いのにゾンビが少ない、遺骸が転がっているだけだった
ブラックスリー「ったく嘘だろ…やばいまだ3600体以上倒さねぇと」
全くゾンビが出てこない、状態がしばらく続く、出て来ても数体で全然金にならねぇ
それでも死ぬ気で、走り回っってソンビを倒した、もう走ってるのと撃ってるのかどっちだかわからないくらいだ、かなり走った。
これだけ走れるなら、走って帰って仮眠もできたかもしれない
が、俺はもうそんな頭は回らない、ただただ現実ではないAR空間のゾンビを撃っていく
それから…どれくらい撃ったのかは分からないが東の遠くの方が明るくなって来ていた、死にものぐるいでカウンターでは合計5200体くらいはゾンビは倒した。
その場で倒れてしまった。銃口にあたる部分が熱い…というか痛いくらいだ。そりゃそうだ 生姜の使い魔ってことと、そもそも連射をしたら熱を持つ部分、ゲーム内での話だから実際に撃っている訳ではないが、体は動かしている。
前ににどこかで実銃で短時間に一気に連射を繰り返した、ライフルが燃える動画を見た覚えがあった。
で最後燃えて銃身が壊れるまで発砲してたな…実験だろうけど、あんな使われ方して可哀想だと思った。
俺は俺自身に可哀想なことしてないだろうか…いやそれはない、そんなことを行なっている訳がない!壊れてねぇし…まだ動ける。
その後
気がついたときは6時45分だった、体の痛みで起きた
仕事は7時から始まる …どうしよう 職場に間に合わねぇ!仕事道具も家だ…
頭がぼっとしているやむおえない、仕事先に電話だやむおえない…「1時間遅れます」って連絡
もう朝だ電車代くらいは何とかあるから一旦帰って荷物取って職場にいく。
が連絡をしようとした瞬間、アドゾンビのやりすぎでバッテリー残量が尽きて、充電しないと5200体倒した
52キャロットペイへの換金もできない、
どこかで端末の充電をしないとまずいが
…流石にもう自力では限界だ誰かに頼らねぇと。
ブラックスリー「あっ…あぁえあ(流石やべぇ)!
あっおうおおーああお(あっ!おい嘘だろ)」
えっはっ!おい嘘だろ流石に泣くぞ…喋れねぇ
おい誰だよ、こんなボロボロにしたの助け… いや助けてもらうにしても
おい信じらんねー声が 何でこんな俺ばっか不幸にならないといけないんだ。おかしいだろ
悪夢だ!
ブラックスリー「ああーああううえいぃええうういええ(助けてくれ)!」