息子が小学校六年生に成り、力も母親では対抗出来なくなり、長女は高校受験で毎日イライラして、息子とのケンカが絶えずあり、ついに母親がノイローゼに成り、正に家庭崩壊の一歩手前でした。
私はこの時、しばらく会社を休む決断をし、息子、長女、カミサンと様々な話しをしたのです。
そんなある日、息子が珍しく自分の部屋から出てきて、居間でテレビを見ていました。この時私は息子に「毎日パソコンゲームだけだと飽きないのか?」と聞いたところ、「飽きるよ」と言ったので、一緒にゴルフの練習にでもいく?と誘ってみたら、一瞬嫌そうな顔をしましたが、行く事に成ったのです。息子にとっては久しぶりの外の生活でした。
練習場に着いて、少し緊張しているようだった。
私はPSを息子に渡し、好きなようにボールを打たせてみました。
当然まともに当たるわけなく、手が痛そうです。でも止める気配が無いのです。
あまりにもひどいので、低くティーアップして打たせてみました。そしたら当然当たり出したのです。飛距離は70ヤード程ですが、なかなか上手く打っています。小学校六年生が大人のクラブのPSを打つのですから、大人に照らし合わせると、5番アイアン位になるでしょう。
一生懸命に球を打ち続けて200球ほど打った時、息子がもっと軽いクラブはないのかと、言い出したので。今は無いけど、ゴルフやってみたかったら、買ってあげる。と約束してその日は終わりました。
3日位後に、ゴルフやってみたいので、クラブを買ってくれと言い出したので、会いそうなクラブをみつけ上げる事で話しは決まりました。それからの私は息子のクラブ探し奔走する事になるのです。
何故ボーイスカウトに参加できるか?。
究極のところ、息子は好きな事はするのです。
そう、苦手な事や嫌いな事からは逃げるのです。
色々な意見が有りますが、結局逃げているのです。
気持ちが繊細で神経質なため、自分が傷付く事が怖いのです。自分の前に出てくる障害を乗り越える勇気が無いのです。
だから勉強もやる気にすらならないし、しません。私が一時期勉強を見ましたが、その時は問題を解けるし、できるのですが、その後復習やドリル的学習をしないため、しばらくすると、できていた問題もできなくなってしまうの繰り返しでした。
このような生活の中から、息子が立ち直るきっかけが、突然来るのです。本当に突然でした。
引きこもりの息子にも、唯一の希望が有りました。
それは、ボーイスカウト。
引きこもりのはずが何故かボーイスカウトの行事には参加するのです。不思議でした。でもその時だけは外に出るのです。集団生活や助け合う生活をするのです。ただ体力が無く付いて行くのがやっとだった。でも親としたら、ホッとできる一時でした。