OSK「DandyⅡ」拝見。いろいろ知らないことがある。 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。


2025年4月26日16時30分開始

もちろんOSKの存在は知っていました。SKDや日劇ダンシングチームの名前とともに。
会社の大先輩に誘われて、10数年前?に「スタス東京レビュー」の公演も見に行ったことがあります。宝塚ファンだから観劇慣れしてると、白羽の矢が立ったのかな?

で、はじめてOSK日本歌劇団のライブを観に行きました!本当のことを言うとピンチヒッターだったのですけど、めちゃいろいろ勉強になったというか、考えた。

場所は心斎橋の「ブルックリン・パーラー」。新宿にもあって、テイストとしては凄く好きなタイプのお店。新宿店はステージがホールにある(と思う)んだけど、こちらは別スペースにステージが設えてありました。

とっても良い席に座らせてもらって、何がはじまるのかとドキドキしながら待っていると…。

4人の男役さんが出てこられて、まずはダンス。凄い迫力にびっくり。続いてテーマソングを歌い踊り、過去のステージの映像を背負ってメドレーで歌い…。音響も照明も決まってる!
至近距離で拝見してそのリアルな空気の動きや男役独特の「釣り」に、ただただ呆然としていた私でした。なんというか、当たり前なんだけどプロとして完成されてて。
登堂結斗さんはすらりと長身、カッコよさと優しげな雰囲気が同居していて、歌も上手い。
その登堂さんとWトップだという天輝レオさんは、キザり芸がすんごくて、油断したら完璧に押し負ける迫力。そしてダンスが滅法上手かった!男役ポーズの嫌みなほどの決まりかたもアンドゥオールも文句無し!何しろ目と鼻の先で観てるので、誤魔化したらわかります。
少し下級生と思われる壱弥さんと京我さんも入れ替わり立ち替わりの活躍でした。

撮影オッケータイムやトークコーナーもあり、本当にあっという間…。まあ確かに1時間くらいではあるのですが、たった4人でこれだけの力業…。

観ている途中から、私にはフツフツとある考えが浮かんできて、止められなくなりました。
(あの…何か気付きを持って帰りたいタイプなので、止められないんですよね…)

長年仕事しているとつい、

「生き残るには差別化が必要」

とステレオタイプに考える癖がついている私。
なんだけどこれはまるで、とある歌劇団と遜色ない技量というか…いや、舞台は役者のスキルだけで成立するんではないですよ、他にもいろいろ必要、一番必要なのはお金かもしれない、でもなんというか…そのまま。まるで同じに見える。
見得の切り方も釣りかたも、ダンスのスタイルもお化粧も。
これだけのスキルがあれば別の「売り」を考えた方がいいんじゃないのか…。
(大変失礼な物言いでしたら、各方面に、ひらにお詫び申し上げます。約35分間くらいはそう思ったことを告白します。)

なんですけどね、帰宅してからその歴史などいろいろ調べるに。
日本にある(あった)複数の「女性だけの歌劇団」は様々な変遷があって、世に知れたスターの所在もあちこちで、お互いに影響しあっていままで(形や規模は違えど)存続してきたということ。バラバラだった知識を多少は構造的に認識できました。
別にどれが優れてるとか、写してるとかではなくて、対等なのだ。譲る(?)必要なんてない。てか、考えるだけ失礼千万。
それぞれ同じくらい長い歴史と伝統を尊重して、これからに繋げていく、消滅しそうになっても灯火をともし続けてきた先達の志を伝える…彼女たちはその途上にいるのだ、と。

軽薄で型にはまった自分の思考回路を、深く反省したのでした…ダメだなー私って。

ちなみに、先に名前を出した「スタス東京レビュー」は東京の松竹歌劇団(SKD)の火を消すな!のような団体だそうです。
歌劇団のひとつだけがメジャーとして生き残っている理由は、それこそ親会社の経営方針やら人材やら様々なことが述べられましょうが、ここでは書きません。所詮、耳学問でしかないから。
ただ、芸事に一途に励むひとの輝きには、何のかわりもなかった。

OSKは、この少人数のライブとはまた別に、南座(?でいいのかな)でも大人数の演し物がかかっているとか。今回のはいわゆる別箱ですね。
東京での本公演は新橋演舞場などでやるとのこと。なんか、行っちゃいそうな私です。