愛希れいか@大奥 その2 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。



ちゃぴ演じる徳川家定といえば、3番目の妻である天璋院(篤姫)ばかりが有名で、本人は病気?で早くに亡くなったひとという印象が強い。


よしながふみ先生の「大奥」では、家定たる祥子は父家慶から虐待を受けていて、かわいさ余って憎さ百倍!の果てに毒を盛られ病弱になったという設定。

史実にそういうことを窺わせる記述があるのかな(私には見つけられず)。それともクリエイターの想像の賜物なのか。


NHKドラマの大奥では、阿部正弘との主従の絆のうるわしさが描かれていて、いろいろ酷い話も多い「大奥」を救っている。

正弘(瀧内公美)が家定を父から救い、その恩を忘れなかった家定(ちゃぴ)が、正弘に言う。

「思うとおりにやれ、そのために私はここに座っておる(=将軍の座に就いた)」

家定も正弘も、そして見ている私も目が潤んだ…。


人間はひどいこともたくさんするけど、誰も信じられないと思う仕打ちを仕出かすこともあるけど、こんな繋がりを生むこともあるのだ…。


そして、その科白を操る愛希れいかの堂々とした女主人公ぶりときたら。

豪奢な着物を纏って至高の上座に座り、権力者の言葉遣いで、臣下を労い鼓舞する。その大きな信頼と愛情の表現。

佳き役者になった…私は、泣かずにはいられなかったよ。(ブラウン管じゃなくて)液晶のこちら側で。


娘役に転向して(←おそらく娘①含み)さんざん苦労して、過呼吸で開幕が10分ほど遅れたときもある。一生ぶん泣いたと、後に語ったのも聞いた。

それでも彼女の頑張りは月組を支え、いつしか裏

トップスターとよばれるほどになった(本人がその称号を望んだわけではなかろうが)。

「グランドホテル」のグルシンスカヤとか、「鳳凰伝」とか、本当に素敵だったなー。


ご卒業後の活躍も凄い。私はいろいろ見に行けてないけど…男役OGスターさんを追っかけるだけで精一杯なの…娘役さんたちの憧れですよね。

パーツ的にはとびきりの美人ってわけではないと思うが、顔の骨格やら首の長さやらは、やはりセンターのひと。7年近く娘①だった実績は彼女の軸を支えている。


「大奥」は登場人物がスピーディに入れ替わるので、あと何回も出演ないかもしれませんが、とても楽しみにしています。

瀧山(古川雄大)や天璋院(福士蒼汰再びだ!)との絡みもわくわく過ぎる!