雪組pre100周年コンサート、だいきほに泣く。【プチネタばれあり】 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。


2023年10月21日12時公演


雪組プレ100周年「グレイテストドリーム」初日に行って参りました。


オープニング、客席にミラーボールから雪のような光が降り注ぎ、スターさんたちが勢揃い。

それだけで涙が出てきました…こういう瞬間を忘れることができずに、ファンは宝塚を愛するのだと思う。まさに「最高の夢」…。


雪組はもちろん他の組と同じくずうっと見てきましたが、やはり望海さんが異動してからが一番熱心に見ておりました。

今、改めてOG公演を見ると、質実剛健な組風なんだなーと思います。他の組から異動してきた方、あちこち渡り歩いてきたスターさん…と、皆が生え抜きってわけでもないのに、いつしか「組の風土」みたいなのに染まるのかな。

過剰なキラキラやら「気合いで行くぞ!」みたいなのは薄いけど、きちんと仕事をする、という印象を受けた。


センターは誠実そうなモサクさん、颯爽としたカリンチョさん、いつまでもお綺麗な一路さん。

特に、カリンチョさんてかっこいいなーとほれぼれ。若作りしてるってわけでなくて、彼女には年月が優しかったのか。忠臣蔵の歌のよかったことといったら…。(私の友人のそのまた知り合いは、日本の大石内蔵助役者は吉右衛門と杜けあきだけだと断言してるそうです) 

いやー和物って、いいですね。


いやまあしかしですよ、やはり私は(申し訳ないけど)だいきほを見に行ったと言っても過言ではなく。

ただ、のぞみさんが階段の上で歌い出したときには「あれ?これ何の曲だっけ?」なんて。てっきりお芝居からの歌を歌われるんだと、勝手に思ってたのでした。(すみません、シルクロードのテーマです)

そして、きーちゃんが「HOME」を歌ったときには、会場の誰もが途中でのぞみさんが割り込んでくるのに期待しただろうけど…ありませんでした。

タカコさんもいらしたからかな?と友人たちと言ってました…が。

しかしきーちゃんの歌声にはますます磨きがかかって本当に素晴らしい。


そのあとの2人は、「ひかりふる路」から「今」(でいいのかな?)、そして「壬生」のテーマソングを。

このコンビが歌うと、今まで「宝塚」だった空間がいきなりミュージカルワールドに変貌する。すごい2人だなあとしみじみ思います。

西洋的にドラマティックなワイルドホーン旋律と、叙情的に歌い上げる日本の曲。「壬生義士伝」は原作からの端折りとか賛否なくもないけど、このテーマソングは本当に涙腺に堪えるよい曲だと思う。こちらも、彼女が歌うと背景にドラマが見える…。なんともやるせない悲惨な結末に、何度も懲りずに泣いたよなー…。


我が贔屓望海風斗は、ディーナやサティーンの面影なく完全に男役の顔になって、男歌を聞かせてくれました。

それを聞くともう、泣かずにはいられなかった。時は経ち世界は休みなく変わるけど、こうして昔に戻れたりする。嬉しくて切なくて、胸がつまる。

今大活躍の女優・望海風斗も大好きだけど、やはり男役時代の声や演技が本当にほんとうに好きだった。

ミュージカルデビューの後にはじめて彼女を知った…としたら、もちろん「すごいひとだなあ」と感心したには相違ないけど、果たしてここまで応援しているかな、と思う。

いいことなのかそうでないのかもはやわからないけど、彼女の歴史あっての、丸ごとファンな私。


なぜひとは、男役ってものに魅せられるのだろう。虚構を貫くエネルギーや年月の重さに、圧倒されるのかもしれない。


だいきほトークでは生田先生の話しなど出て、客席大喜び。歴長ファンの方々にはご理解いただけたのかちょっと心配したけど。

「2人で歌っていてもどうももう1人いるような…」

と笑うだいもんに、

「いえ、それは私が許しません。私とのぞみさんとの間には誰もいません!」

とキリッと返すきーちゃん。そうか、許さないのか(笑)奧さま上位の夫婦なんだろうな、と勝手に想像しておりましたが…欲しいものはちゃんと主張してきちんと手に入れる、強靭な握力の歌姫・真彩希帆。あっぱれ、素敵です。


有無を言わさずかっこいいタカコさんやら水さんやら、すっかり大人になったとなみちゃん、逆に愛らしいまま、現役娘役みたいなみみちゃん、え?誰?と最初わかんなかったくらい垢抜けたあゆちゃん。

アンサンブルでの89期コンビ、きんぐとあゆみ姉さん、好きだったダンサーひーこちゃん。

みんなみんな懐かしい…。


初日の演目を終えてセンターのお三方は本当にほっとした表情、感無量という感じでした。お稽古場でもすぐに当時に戻れることのありがたさ、そしてこのタイミングで記念コンサートに立てる奇跡、と語られ…昔から、雪組のお稽古はとても暖かかったそうです。


「さよなら宝塚」「すみれの花咲く頃」のあとにカリンチョさんが「これからも宝塚を、そして雪組をよろしくお願いいたします」と結ばれて、初日の幕は下ろされました。最後の最後はモサクさんの御礼、だったかな。


宝塚歌劇はひとつ、そして組のカラーとオリジナルな結束の仕方がある。そんな多様性があるからこそ、いろんなひとを惹き付ける。

他のどんな舞台を見て、泣くほど感動したとて、やはり宝塚歌劇独特の魅力は他にない。


今日は月組初見です。