
ケイト・ブランシェットが大好き、そして音楽が題材の映画ときたら、そりゃ観に行かないわけいかないでしょー。
と、行って参りました。
普通はラストに延々と流れるクレジットが冒頭に組み込まれていて少し当惑するけど、ここから「ただもんじゃない映画」との期待が高まる。
そして、出ずっぱりケイトが美しくなおかつかっこいいことときたら…。ちまちま可愛いより、女王の風格がある人が好きな私のど真ん中。
「オーケストラの指揮者」と「スポーツの監督」は、男は一度はやってみたい職業だというけれど、女性の指揮者は世界的にも本当に少ない。
それを完璧に演じるケイト。神経症的な繊細さも感じられて、観客は一気に彼女のファンになる。
まだ公開からそんなにたってないのでネタバレしませんが…。
・いろいろな謎があちこちに仕掛けられていて、いちいち答えは出してくれず、投げ出される。だから、それぞれに受け止めることが可能。
・まさに今旬の「告発もの」と捉えることもできる。しかも、近日公開予告に猿之助と天海さんが出てくるもんだから、もう、タイムリー過ぎで震えました。
・ジェンダー問題としても。女も、男と同じくらい愚かなのだと、身に染みる。権力という麻薬の恐ろしさよ。あまりに出だしのケイト(役名リディア)が素敵なのでつい、彼女目線で見てしまうのですが…さまざま問題あり。
・音楽が素晴らしくて、心を鷲掴みにされる。そしてそれを渾身でリードするリディア、いやもはや、ケイト・ブランシェットが凄い。
・インテリアがクール。街並みもヨーロッパが懐かしく思い出され、7月の遠征が楽しみになってきた。
映画は公開終了近くになると混雑する、というイメージだったのですが、公開後2週間しかたってないのに「完売」という人気ぶり。
ミステリー好きも音楽好きも文学好きも、楽しめる映画だと思います。迷っておられるかたがいたら心よりお薦め。