
2022年12月17日11時公演
2回目にして、本年宝塚歌劇my楽。
みなさま仰せのように「はい、これが大作です」という設えの作品ですよねー。原作も衣装も装置も専科さま大投入のキャスティングも。
これで今年の宝塚観劇は終わりだと思い、この大作を真剣に見たためか、くたくたに疲れてしまいました。帰ったら寝込んだ(笑)
咲ちゃんとあーさが2人で歌うところなんて、なんだか泣けて泣けて…。希望の歌なのにね。
ウエクミ先生が看破された通り、宝塚歌劇は人で作品を見る。文秀と春児を見てるのに「咲ちゃんかっこいい…歌頑張った…やっといい役にめぐりあったね…」「あーさぴったりすぎる…なんて強い目の演技なんだろう…こんなに綺麗なのにめちゃくちゃ努力してる…」とか思って涙しちゃう。
あ、いえ、私は上田先生かなり好きで、一時宝塚ファンが騒然(?)となったあの発言はまことの確信犯だと思いますし、別に「人で見る観賞法は間違ってる」って仰せだとは全く思わなかったです、私。
ただ、ご自分は違うのやりたかったんですよね。それも全然構わないし、それで「宝塚を否定された」とか、そんなことない(と思う)。
うん、でも観劇好きな方々は感受性も高いから、そう思っちゃったのかなーとも。繊細なんですよね。
話それましたが、歌もよいですよね、この作品。
咲ちゃんの「お前に辿り着く」もいいし、「我らを導け正しき場所へ」にも泣ける。
やはりねー宝塚歌劇に「正しい」というのは似つかわしい。私の拡大解釈では、正義ってだけではなく自らの運命や意思、それらが導く場所だと思う。自分のあるべきところというか。
(一番贔屓ののぞみさんはギャング役者でしたからねー正しくはない☺️)
「正しき道」ではなく「正しき場所」というのもいいな。「道」は日本っぽいけど「場所」はいかにも中華帝国です。日本はプロセス、中華帝国は結果。
原作ファンには端折り方にもいろいろ意見があるようですが…私は基本的によく出来ていると思っています。
ミセス・チャンの出番少なさどうなのよとか…まあそれ仕方ないですよね、深堀りする時間もなければ落とし前もつけられないんだもの。登場人物それぞれにドラマがあって、言い出すとキリがない。
個人的には西太后と乾隆帝(?でよかったっけ?いつも康熙帝とごっちゃになる)のエピソードは大好きだし、春児いうところの「お宝=金剛石」もばっさりなくなってますが、これやると西太后がガチでヒロインになります。そりゃダメだ。
そらくん演じる順桂も、別に阿片窟みたいなとこで爆薬買わなくてもいいと思うんだけど、ダンスシーンが必要なんですよね、組子のために。(こういうとこが上田先生的にダメなのかな?)
ということで時間はどんどんなくなる。
原田先生、よくやった!と私は思います。
もう1回くらい見たいなーとも思いますけど、このくらいが一番適切な感想なのかな。
前にも書きましたが、同じ公演を4回以上見た人のその公演への感想は、全体として割り引いて聞くことにしています。バイアス必須ですもの。
3回以上見ないとわかんない(面白くない、ではありません)、というのは商業演劇としては…ねえ。
今年は例年よりも宝塚観劇の回数が減りました…中止もあったし、のぞみさんの公演もあったし。
でも、宝塚歌劇は私にとって唯一無二の人生の慶びに変わらない。他の何にもとって代われないエンタテインメントです!
そう…なんだかね「正しき場所」へ連れていってくれる気がする。美しきもの、憧れていたもの、衿を正すべきもの、価値があると思えるもの、…それが全て詰まったところへと。
来年も宝塚歌劇関係者全ての方々、そしてファンの皆様(自分含む)に慶び多き舞台がもたらされますように…!