先日、退団を発表された綾凰華さんについて書かせていただきました。
今日はその同期にして好敵手であった(と思われる)天華えまちゃんへの想いを…。
ぴーすけこと天華さんは98期3番で入団。
この期は
①ありちゃん②小春乃さん③天華さん⑤もえこちゃん⑥あやなちゃん
という感じなんですね。
彼女、優等生だなーと思う…なにさせても「あらら…」がない安心さ。背もあるし歌もお芝居もそつがない。くせのない美人。それを、無難とか面白味が…とか言うのは簡単なれども。
私は彼女のダンスがとっても好きです。
しみじみ思うのですが、バレエをきちんと修めた人の踊りはポーズがなんともいえず美しい。
もちろん止まった時のポーズもですが、問題は通り道。
描く「軌跡」だけではなくて、その軌跡の途中のポーズがどれもきれい。
それが残す記憶と陰影はほんの一瞬ではあるのですが、踊りとはその瞬間の積み重ねなので…いつしか、忘れがたい印象を残すもの。
ダンスの基礎は全てはダンス・クラシックにあると言われる由縁です。
たとえば、パッセの美しさ。
パッセとは(私もバレエやったことないので正確さ欠きます…ごめんなさい)いわゆる「P」の字というか、片脚で立ってもう片方の膝を折って立ってる脚につける。その膝がきちんと開かれて高く保たれ、きれいにぴしっと三角を作るかたち。一瞬かもしれないが「通りすがりのテキトー」ではない。
そんな何気ないかたちがきれい。
修練を積んだひとは意識せずにその正しい形を軽やかに通り抜けながら、次の動きへ移ろっていく…行く先もまた、正しく美しい形。
それが全体の美しさをかたちどる。
パッセがわかりにくければジャンプしたときの最高点での「形」かな?滞空時間も含めての。
なにしろバーレッスンで何百回何千回とその形を修練してきたのだもの。それをやるなという方が、できない相談なのかもしれないです。自分では計算してなくても、計算されつくしたメソッドを身に着けているということ。
天華さんのダンスにはそれを感じます。
私は彼女の来歴を知りませんが、そう思う。
「阿弖流為」のダンスで、『ああ、星組に正しく踊る人がいる!』と思ったのです。
その前にもスカピン新人公演とかで観てたのかもしれないけど…あれ、あんまりダンスないので…ゴメンナサイ(汗)
スピード感がやたら重視されていると思われる今の星組では、少し異質かもしれませんが、彼女のダンスは端正にしてアカデミックで美しい。
組の風潮だけに流されず、切れのよい速さ(時代てきにはわかりやすくて大切です!)と今の美しさの両立を、忘れないでほしい。天華えまには、きっとできる。
そう、心から願います。