上田先生のたまきち愛「桜嵐記」(ネタバレなし) | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

 

2021年5月22日11時公演(写真は中村先生のショーです、タイトルと合ってませんね、ごめんなさい)
 
大層評判のよい月組公演、行ってまいりました!
まだ開けて間もないのでネタバレ回避いたしますが…。
「桜嵐記」(も「Dream Chaser」も)、オーソドックスで、大変見やすかったと思います。
 
「桜嵐記」はさいしょから悲劇がバリバリに予想されてるのに、前半結構笑い要素もあって…。なんだけど後半いきなり涙領域に突っ込んでいくのはさすがのウエクミ技。
時空間も行ったりきたり。しかしながら説明科白のおかげかそこまで難解でもなく、お得意の盆回しなど舞台構成も効いていました。
友人が、先生はもともと文楽やらなにやらがお好きだったから、このへんの題材、造形深いんじゃないかと言ってましたが、確かにそうかも。
たまきちには直球が似合う(私見です)し、たまちなれいこという大サービス兄弟も「王道の約束感」があって満足度高し。たまきちは日本人形みたいで本当に綺麗でした。
さくらちゃんも着物の馴染む顔立ちに、少し硬質な雰囲気を全面に出して、とってもお似合い。
 
「あれはどういうことなんだろうねー」「私はこう思ったんだけど」…のような観劇後のディベートも不要で、ほんとストレスなし。
退団公演はこれでいいんだと思います。
 
それにしても…月組はほんとに上手な人ばかりですね。
だれもがみなお芝居を理解してきちっと作ってくる。ピシッと隙なくきまった寄木細工みたい。
新人公演みたいな勢いの星組を見たばかりだったからかもしれないですけど…感心しました。宝塚の振り幅ってほんとに凄い。組の風土(?)によってこれだけ変わってくるんだなー。
いやまあ、組によって「良し」とされることが全然違うのだから、当たり前かもしれないけれど。
 
それとやはり、ウエクミ先生のたまきち愛?いやたまちな愛?の強さよ。
「月雲」で驚愕のデビューを果たし予定外の東上まで成し遂げた上田先生にとって、それはそれは思い入れのある2人なんだろうと思わずにはいられませんでした。良さが最大限に引き出されていたし、片方が片方の腕の中で○○○いくところなんて…(涙)。
何をファンが見たいのかわかってる上田先生。
幕切れの巻き戻しも一瞬「え?」と思いますが瞬時に納得できますし、うまいなーという感じです。
 
まあねーここまで書いてくるとつい、こないだの雪組もあそこまで凝って詰め込み過ぎずに、もっと素直に単純に作ってわかりやすく送ってくだされば良かったのに、とか思ってしまいますが←諦めが悪いぞ(笑)
やはり昨年はベートーヴェンイヤー縛りがあったのかなー。トホホ…。
 
初見ではいろいろと考えすぎてしまう私も、この作品で余計な考えは浮かばず、されど1回では詳細見切れていないので…もう1度きちんと把握してから書こうと思います(ショーも)。中途半端で失礼申し上げました。