2019年1月17日18時30分公演
お誘いいただいて今までで一番の良席。ありがたい限り…。
「Where in the world」は絶望の中で希望を見つけた、囁きから歌い上げに至る壮大な感情クレシェンドの歌。
「Home」の優しく歌われる希望。
「You are music」の浮遊感。宙を舞う和声と憧れに満ちた旋律。
「Melody in birtro」は、歌うことの喜び、ただそれだけ。舞台から溢れてくる組子たちの歓喜に心が躍動、涙腺を刺激する。
「My mother bore me」のドラマティックな歌唱は、優れた演技と歌唱の力が備わっていないとこの世に出現しない。
そして言わずもながの「You are my own」…。
「ファントム」の主役は音楽なのだ。エリックとキャリエールを結びつけていたのは音楽。
エリックが音楽があったから生きて来れたと言う。クリスティーヌのことも「声が聞けた」と懐かしむ。
もちろん、どんなミュージカルでも歌唱力が突出したキャストで演じられるのは素晴らしい。けれども、ファントムや「モーツァルト!」はそれとは別次元。なにしろ音楽の話なのだから。
全ては歌で語られ、その歌い手は音楽の天才であり絶対の歌姫でないと話が崩壊するのです。
そう、楊貴妃は美女が演じないと成立しないように。
(クレオパトラは別の魅力で異性を引き付けたというから以外とそうでもない?)
宝塚でベストキャスティングを得るのは本当に稀有なことだけど、それを目の当たりに出来たのは幸せのひとことに尽きます。
だいきほの歌がはじまると、なんだか夢を見ているような気分になり、息をするのを忘れそう。
私はいま、なにを聞いているのだろう?奇跡?
もちろん歌だけでなくて、宝塚ならではの燦然たる視覚刺激もあって。本当に得難い経験というしかない。
千秋楽には「もう本当にこれが最後?」と客席が取り乱しそう(笑)
再演は大変だと思いますが、もしもやるのなら琴ちゃんではいかがでしょうか。彼女がどんな風にエリックを歌うのか聞いてみたい気がします。琴ちゃんにドラマティックさが付加されるかも。
クリスティーヌはみねりちゃんあたりでお願いします!